ボールが当たった。暫く休止

3月2日は陰暦の正月15日にあたり、チャイニーズイヤーの諸行事の最終日になります。この日は、チャイニーズのバレンタインデーとも言われる、チャップ ゴー メーといわれる日でもあり、女性が自分の名前をみかんに書いて、男性が拾ってくれることを願って川に投げ入れ、拾った男性は名前が書かれた女性に連絡を入れるという行事が行われます。


さて、このような謂れのある日ですが、とんでもない事故が起きてしまいました。


いつものように朝一番のスタートで、まだ暗い6時45分に1番ティーをティー オフし、暗いながらも手探りで2番ホールまで終了しました。事故が起きたのは3番の崖越えのショートホール(156m)です。グリーンはまだ暗く、殆ど見えない中で、ティーショットを打ちましたが、崖は越えた感触はあったものの、グリーンに乗っているかどうかは分からないまま、グリーンに向かいました。その途中でグリーンを整備していたと思われるスタッフが頭を抑えて血を流しているのに遭遇しました。まさか自分の打ったボールが当たったとはそのときは思いもせず、さらに聞いてみると、どうやら自分の打ったボールが当たったらしいと悟りました。当たったスタッフは意識ははっきりとしているものの、血を流しているので、処置が必要なのは明らかでした。


とりあえず、受付に行くことを促し、彼は自分の乗ってきたバイクで立ち去りました。私も、とるものもとりあえず、受付に徒歩で向かいましたが、受付に着いてみると、彼の姿が見当たりません。受付では事故に付いて全く知らず、事情を説明すると、彼はおそらく、従業員食堂(キャンティーン)にいるのではないかとのことだったので、キャンティーンに行ってみましたが、やはり彼の姿は見当たりません。キャンティーンのスタッフに事情を説明していたところで、バギーに乗った別のスタッフがやってきて、「彼は病院に行った。」と言います。


そこで私が病院に行きたいので病院名と住所を教えてくれというと、スタッフの一人がバイクで先導するから付いて来いというので、そうすることにしました。考えてみれば被害者の名前も知らないので、案内してもらって正解でした。


病院はゴルフ場から5,6kmのところにある、政府系の大きな病院で、駐車場のスペースも広大ですが、7時30分前なのに、駐車場は満杯で、路上に違法駐車するしかない状況でした。背に腹は代えられず、違法と知りながら路上駐車せざるを得ませんでした。


7時半という早い時間にもかかわらず、病院は大混雑で、こんなにも病気の人がいるんだと、改めてびっくりしました。ベッドの数が不足しているのか、通路を割いてベットが並べられ、そのベッドも満杯でした。


自分だったら、70歳近くで病気になったときに、生に執着するだろうかという疑問が湧いて来ました。生き延びたとしてもあと数年の命だったら、入院などしないで、早くあの世に行ったほうが、いいのではないかという思いが今は強く感じられます。西部邁氏が79歳で自死した事は、彼なりの合理性の現われのようにも思われます。もちろんほかの人にそのような行き方を進めたいわけではありませんが。


そんなことを考えているうちに、ボールが当たったスタッフは3針縫うことになり、1週間後の3月9日に抜糸という予定が決定しました。ゴルフ場からは私を先導してくれた人を含め、延べ4名が病院に来ていました。


結果として、命に別状はなかったのは不幸中の幸いでした。


さて、ゴルフですが、マレーシアに来ている理由は、ゴルフをするためというのが大きな部分を占めています。ゴルフなくして、マレーシアにいる意味は殆ど失われてしまいます。しかし、今後も変わらずにクラブを振ることができるのだろうかという心配が残ります。少なくとも、薄暗い中でのゴルフは今後一切止めます。ボールの飛んでいく先を見極められないまま、ボールを打つことは考えてみれば危険な行為です。人に当たる確率は低いとはいえ、狙った方向で作業している人がいれば、当たることはありえます。戦争で死んだり怪我することは、覚悟の上のことなので、被害を受けても承知の上だと思いますが、グリーンのメンテナンスを命がけでやっている人はいるわけがありません。


こんなことから、マレーシアにいるかどうかの岐路に立つことになりました。もともと、3月11日から1ヶ月ほど日本に帰る予定でしたが、日本で今後の方向を考え直してきます。


本ブログは2017年8月の立ち上げ以来、ブログを読んでくださる皆さんの応援で今まで継続して来ましたが、少なくとも再度マレーシアに来る予定の4月中旬以降に再立ち上げするかどうかを決したいと思います。当面、ショックから立ち直れないと思いますので、とりあえず、ここで、本ブログ読者の方に一応のお別れをします。お読みいただきありがとうございました。

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