MATTAフェアー

武漢肺炎の感染者数が約117人にとどまっているマレーシアですが、これまではビック イベントであったMATTA フェアーが規模を縮小して4月4日と5日の2日間にわたってKLCCで開催されることが決定され、発表されたというニュースを紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。https://www.thestar.com.my/news/nation/2020/03/10/locally-focused-matta-fair-to-be-held-april-4-5-at-klcc


Quote


“国内旅行を中心にMATTAフェアーが4月4-5日にKLCCで開催”


外人旅行者減少を補い、国内旅行を盛り上げるため、国内旅行中心のMATTAフェアーが開催されます。


“MATTA フェアーでマレーシアを休もう”と副題がついたこのイベントはKLコンベンションセンターで4月4日と5日の2日間、KLコンベンションセンターで開催されます。


MATTAフェアー会長は語っています。「国内観光はいつでもやっている。国外から来る人はないので、国内観光に集中する。武漢肺炎の影響は今の状況からは与件であり、高い売り上げや多くの来場者数は期待できない。しかしすべてはマーケット次第だ。


マレーシアは安全な旅行ができる。マレーシア人にとって、価格が適正ならば、それなりの結果が出るだろう。」


MATTAによると、今回はMATTAの旗の下で、完全に国内に焦点をあてた最初のイベントになるということです。


イベントで体温チェックを実施する計画はなく、医療従事者が待機するということです。ウイルスの拡散と戦うため、保健省が定めたガイドラインに従うということです。


来場者のため、パートナーであるマレーシア航空は、ラッキードローで国内便の無料チケットを提供するということです。


Unquote


KLCCで開催されるMATTAフェアーは例年だと3日間でしたが、2日間に短縮されるようです。あまり人が旅行に出る雰囲気が出ない時期でも、MATTAフェアーを開催するのは、国内旅行ならばある程度は需要があるだろうという見込みがあるからだとは思いますが、出展会社の数もかなり減るだろうことは予想されます。


旅行業界はウイルスの影響を最も重く受ける業種であることは確かですが、どうなるでしょうか?

新内閣発表

マレーシアの新内閣が発表されましたのでその概要を紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。https://www.thesundaily.my/local/muhyiddin-announces-cabinet-without-a-deputy-pm-updated-GC2105686



Quote


“新内閣の発表(副首相はなし) ”


国の歴史上初めてとなる副首相がいない内閣のメンバーが発表されました。副首相のポジションは、どの政党がこの重要なポジションをとるかで、予想が渦巻いていました。今まで、副首相がいない最も長い期間は1998年9月2日にアンワールがマハティールに副首相を解任された時で、その後アブドラーがアンワールの後継者として指名された1999年1月8日まで、副首相不在の時期が続きました。


首相は次のように発表しています。


「副首相を置かない代わりに首相を補佐する4名のシニア閣僚を指名されました。それは経済、安全、インフラ開発、教育を含む社会問題を担当する各大臣です。このシニア閣僚は首相を補佐し、首相不在の際は閣議の議長となります。この内閣は国民に焦点をあてた内閣で、効果的で清潔であり、経験豊富な政治家、テクノクラート、専門家で構成されています。」


注目されるのは、現在CIMBのCEOであるザフルールの財務相就任と首相府の宗教問題相であるズルキフリの連邦直轄領相への就任です。首相はこの2名はこののち、上院議員になることになっていると語っています。


現在の裁判で係争中のUMNO総裁は閣内に入っておらず、PAS総裁も閣内には入っていません。


高等教育相の復活やサバ、サラワク担当を首相府に置くなどの改革も発表されています。


PH政権よりも内閣の規模は大きく31人の大臣と38人の副大臣で構成されています。


UMONOが最も大臣の数が多く9人、PPBMが7人、GPS(サラワク)7人、PAS3人、PBS1人、その他アズミン、ザフルール、ズルキフリを含め5人となっています。


大臣、副大臣は清廉さを確保するため、MACC(マレーシア反汚職委員会)と警察のスクリーンイングを受けているとのことです。


Unquote


選挙で国民から拒否されたUMNOが政権に復活ということになりました。選挙の洗礼を受けない政権に政治を行う正当性があるのかが問われることになりますが、次回の議会で不信任になる可能性も高いと思われ、短命内閣となると予想されます。


シニア閣僚の順番を決めておかないと、もめる基になりそうではありますが。(命令一元化の経営学の基本原理に反する)

マレーシアの包括的なクルーズ船入港禁止

マレーシア政府はすべてのクルーズ船の入港を拒否する同盟に参加し、その旨を宣言しましたので紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。
https://www.thestar.com.my/news/nation/2020/03/08/malaysia-bans-cruise-ships
Quote


“マレーシアはクルーズ船の入港を禁止”


マレーシア政府は武漢肺炎の蔓延のため、マレーシアにやってくるすべてのクルーズ船の包括的入港禁止を発表し、観光産業には、さらなる逆風となっています。


保健省と交通相からの通知に従い、入港禁止は直ちに実施されます。


ペナン港委員会は、船主、エージェント、港湾当局、ターミナル運営者に対して、さらに通知があるまで、クルーズ船のマレーシア入港を一時的に禁止する旨通知しました。


「保健省の決定に鑑み、すべてのクルーズ船はさらなる通知があるまで、直ちに、ペナン港の境界に入ることを規制する。」というのが、通知内容です。


同じような声明を出しているポートクラン当局は「クルーズ船は重要な担い手ではあるが、この一時的手段は必要なものです。この困難な時期に、医療の緊急事態に対応し、予防処置を担うために、病院に医療資源を集中することは大事です。入港禁止は一時的なものであり、すべての関係者が協力して、できるだけ早く解決すると願っています。」と語っています。


昨年ペナンはクルーズ船の乗客が圧倒的に増加しました。2018年は354,507人でしたが、昨年は449,885人でした。


入港した船舶数も185から198に増加しました。


ポートクラン2018年の乗客数は300,000人でしたが、昨年は360,000人に増加し、昨年到着した船舶数は150でした。


ペナン州首相は「この指示は交通省から出ていることは承知している。観光業界に影響するが、大きすぎるリスクだ。」と語っています。


アルジャジーラ(電子版)が先月報道したところでは、マレーシアはクルーズ船の入港を禁止する台湾、香港、日本を含む数か国に加わっています。


Unquote


日本でダイヤモンド プリンセス問題が持ち上がってから、問題解決の困難性が認識されるようになり、感染者の有無にかかわらず初めから入港させないという方針を各国がとるようになっています。米国でもクルーズ船を入港させたばかりに、予想もしない対応を取らざるを得なくなっています。


武漢肺炎の蔓延がわかっていながら、クルーズ船に乗ることを決断した乗客の判断の誤りがあるので、自己責任だということになるのでしょうか?


武漢肺炎の正確な情報を公表しなかった中国の責任は重いものがあると思いますが、中国とはそういう国であることを改めて再認識する必要があるのではないでしょうか。


それにしても、どこにも上陸できなくなったクルーズ船の乗客は、このまま洋上をさまよい続けることになるのでしょうか?あるいはカンボジャのように金に転んで上陸を受け入れる国が現れるのに期待するほかないのでしょうか。そういう国は無責任に感染者を野に放つ可能性があることに、留意しなければなりません。

土曜日に10人の陽性が見つかり、都合93人に

マレーシアでは3月7日(土)に新たに10人の武漢肺炎の感染が確認され、感染者の数は合計93人になったというニュースを紹介します。本記事の内容は、以下のURLの内容を要約したものです。


https://www.thestar.com.my/news/nation/2020/03/07/covid-19-10-new-cases-detected-brings-total-to-93


Quote


保健省の発表によると、感染者の国籍別内訳は、3月7日現在、マレーシア人75人、中国人15人、米国人、日本人、イタリア人各1人で合計93人ということです。


新たに感染が確認された10人はいずれも、それまでに判明した感染者の濃厚接触者を検査した結果感染が判明したということです。


これまで、感染者の濃厚接触者132人の検査を実施してきましたが、検査結果の内訳は、陽性18名、陰性38名、76名は未決で結果待ちということです。陽性の人は隔離され、対症療法中ですが、陰性の38名は14日間の自己隔離、または自宅での経過観察中ということです。


Unquote


以上から推測するに、マレーシアの武漢肺炎の検査体制は、発熱等で病院に来院し、診察された患者を検査して陽性反応が出たもの、および判明した陽性の患者との濃厚接触者を調査して、その人たちを対象に検査したケースがあることがわかります。したがって発表された数値は、実際の数値の氷山の一角でしかないということになります。


何の症状もないのに、不安だから検査してくれと自ら依頼するという人はいないようです。


症状が全くない人が実は感染していて、伝染力を持っているというケースが一番厄介です。感染者本人は全く自覚がなく、接触した人に伝染させてしまうということがあり得ます。陽性患者は表面に出ただけで、隠れた感染者がいることは、容易に推測できます。


週一で足裏マッサージに通っているのですが、施術者は全員が中国人です。自分を担当した人が時々、咳をするので途中でやめて帰りたくなりましたが、そのまま継続してしまいました。中国人には近づかないようにしようと思っていたのですが、ちょっと迂闊でした。ちょっと感染への不安が残ります。

世界市場に連動してガソリン小売価格下落

3月7日からガソリン小売価格が大幅に引き下げられるというニュースを紹介します。
記事原文は次のURLを参照してください。https://www.thesundaily.my/local/sharp-drop-in-ron95-ron97-diesel-prices-mof-JY2089856


Quote


“ガソリン価格大幅引き下げ”


3月7日から3月13日までのRON95、RON97の小売価格がそれぞれリッター当たり19セン、21セン引き下げられます。財務省は声明により、3月7日午前0時から3月13日までの期間のガソリン価格が、リッター当たりそれぞれ1.89リンギ、2.19リンギになると発表しました。ディーゼルはリッター当たり17セン下がり1.96リンギになります。


Unquote


マレーシアのガソリン価格は原油の世界市場での市場価格をベースにして、1週間ごとの小売価格が毎週金曜日に発表されています。


今回の価格改定は世界の市場価格が、武漢肺炎の影響による需要減から大幅にダウンしている状況を反映し、RON95が10%以上の下落が発表され、ハイオクのRON97、ディーゼルもそれぞれ大幅な下落となっています。


原油価格は、昨年はおおむね、バーレルUSD60で推移していましたが、今年になってUSD50台に下落してからは、つるべ落としのように下落を続け、一時持ち直すかにも見えましたが、現在はUSD45にまで下落しています。


下落の背景としては、言うまでもなく、武漢肺炎の影響による世界経済のシュリンクです。実需の減少が顕著になっており、大口重要者であった中国が持ち直さない限り、需用が拡大する要素が見当たらないのではないでしょうか。


ガソリン価格が下がることは、当面の家計にとってはウエルカムですが、今後の所得を考えると、あまり喜んでばかりはいられません。株をはじめとする資産価格の下落もあり、今後の所得の伸びはあまり期待できず、さらに需要減退で、負のスパイラルに陥っていく可能性が大です。


処方箋としては、金利低下が行きつくところまでいっており、利下げ余地はあまり残っていないところから、財政出動しかないと考えられますが、財政資金としての増税はもってのほかであり、借金に頼らざるを得ないのですが、「財政規律」という美名のもとで、借金回避を主張する勢力もあり、動きがとれないのが現状です。


借金を将来に残すな、という主張は、聞こえはいいのですが、それではどうする?という質問には回答できないのです。


借金は借り換えによって対応し、そのまま残しておくというのが今は最善の策だと考えますが、どうでしょうか?


ちなみに、リンギの為替は米ドルに対しては、あまり大きな変化はないのですが、円に対しては弱くなっており、ここ10年来のリンギに対する円高水準に近付きつつあります。つまり、円は米ドルに対して強くなっています。この状態は日本にとってはいいことではありません。


日本の政策はIMFなどの国際機関の勧告に素直に従うという、悪い性癖があるのですが、国際機関の言うことを素直に聞いていては、国が危うくなります。国債を増発して財政出動に回し、需要を喚起してインフレを起こすという政策が、今取るべき政策だと考えますが、これを実行できる政治家はいるのでしょうか?