墓について

今回は墓について考えてみたいと思います。


大きく考えれば、地球が誕生したのは46億年前で、人類がアフリカに誕生したのが20万年前、世界各地に人類が拡散していったのが10万年前、というようなことを考えると、現在明らかになっている日本人の歴史はごく短期間の出来事です。日本の最古の家系であると考えられる皇室の歴史も、神武天皇の即位の年といわれる皇紀では今年は2678年で、それ以前の歴史は神話の世界で、科学的に分かっていません。皇紀にしても神話の世界であってこれも科学的に証明されているわけではなく、最も限定的に見れば大化の改新を出発点だとする見方も存在します。



“先祖代々の墓”という概念は江戸時代にはなかったようです。私の場合ですと、祖父が昭和16年に亡くなったときに、寺の墓地に散在していた先祖の墓石を集めて、“先祖代々の墓”を立てています。判明している私の家系は戦国時代からで、そこから数えて私が16代目ということになります。確認できる最も古い墓石は4代目の方で、元禄12年(1699年)に亡くなっています。それ以前の墓がどこにあるのかは分かっていません。私の父母ともこの“先祖代々の墓”に納骨していますが、これをどのように維持していくかが問題になります。


日本人の家系の歴史という面では、一部を除き古いとされる家系であってもせいぜい戦国時代からというのがほとんどであり、“先祖代々の墓”と言っても、たかだか400年にも満たない期間のことで、地球全体から見れば米粒にも満たない歴史です。そう考えると墓を閉じてしまうという道も考えられます。一方で子孫が家の歴史を振り返りたいと思ってときに、墓と菩提寺があれば、ある程度は振り返ることも可能ではあるでしょう。


私の日本の留守宅は東京近郊であり、菩提寺は金沢です。その寺自体は1,000年以上前に建てられたと言われており、金沢の殆どの寺が犀川を越えて寺町に移転しましたが、金沢城の裏鬼門に当たるとして、移転を免れたという由緒がある寺です。現在の寺は、道路に削られて、小さくなっており、檀家の数も少なく、住職の方は今は80歳を越えていて、以前は、住職と兼業という状態でした。今は仕事を持っている息子さんがあとを継ぐということですが、兼業状態は続けざるを得ないという状況のようです。


日本に居ても、遠隔地でもあり、なかなか墓参りも十分できない状態なので、今後墓をどのようにしていくかが問題です。墓に付いてはそれぞれの事情が違うので、結論めいたことはいえませんが、参考までに私の場合を紹介しました。

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