ナジブ元首相の国外脱出阻止へ

マレーシアの新しい政治体制が敷かれようとしている中、BNからHPへの転籍者が続出するなどの混乱があるようです。そのあおりで、サバ州では11日に任命された知事が最短で来週早々にも辞任する見込みとなるようです。


12日に発表される予定だった内閣の布陣は、内務相、財務相、防衛相の3人を除いて順延され、マハティール首相はアンワール氏と面会の後、PHを構成する各党にそれぞれ3名ずつ内閣の候補者リストを出すように要請しました。


また、アンワール氏の長女ヌルル イザ アンワール(議員)が明らかにしたところでは、アンワール氏は5月15日(火)に釈放されるということです。


更に、ナジブ首相夫妻の汚職取調べのため、彼らの国外への脱出を阻止するようです。これに関する記事は下記URLを参照してください。
https://www.thestar.com.my/news/nation/2018/05/12/dr-m-we-had-to-act-quickly-to-prevent-najib-from-leaving-the-country/


引用はじめ
マハティール首相はナジブ元首相の国外脱出を阻止するため、すばやく行動する必要があるとして記者会見で次のように語りました。「彼に対して多くの非難が寄せられている。我々は他国に引き渡し要求をしないで済むように、すばやく行動しなければならない。」


公式機密法のもとで機密保持されている1MDBに関する監査人報告の機密保持解除を命じる方針かどうかを、記者から質問されたマハティール首相は次のように答えています。


「機密保持指定は解除しなければならない。報告書は私のところに提出すべきだ。再検討するためよく調べなければならない。前中銀総裁は今回、上級顧問に就任したので、1MDBの調査を指導することは無い。1MDBに対する調査は早急に再開する必要がある。これは多くの人々と多くの意思決定を含んだ複雑な問題だ。最優先すべきは1MDBの金を戻すことだ。どの報告が隠され、あるいは明らかになっているかを検証する。」


引用終わり


2015年に発覚した1MDBの負債は1兆4000億円といわれ、しかも、そのうちの使途不明金850億円が、ナジブの個人口座に振り込まれていたという疑惑が取りざたされ、マレーシア政界を震撼させたのが、1MDB事件です。この穴埋めのため、中国の資金をあてにして中国とべったりになっていたというのが、ナジブ首相の末期でした。これに危機感を抱いた人々が立ち上がった結果が今回の選挙でもあります。


2006年10月に、モンゴル人女性の殺害事件があり、殺害後P4というプラスティック爆弾で遺体を粉々にしたという事件がありましたが、P4を使えるのは軍の関係者しかおらず、犯人とされた警官にはP4を持ち出す権限はなく、当時防衛副大臣だったナジブの関与が取りざたされました。しかし、これを公にした雑誌の編集長が治安維持法で逮捕されるなどがあり、裁判では、すっきりしない結果に終わっています。犯人とされた警官は最初無罪になり、再審で死刑となりましたが、その後オーストラリアに逃亡して、そのままになっています。

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