新政権が初閣議

マレーシアが新政権になってからの初閣議が5月23日(水)に行われ、新方針が発表されています。閣僚報酬の10%引き下げ、ガソリン価格の維持などのほか、前政権がやろうとしていたKL-シンガポール間の高速鉄道、東海岸鉄道の見直しと、巨大プロジェクトを主導してきたSPADの廃止などを発表しています。


巨大プロジェクトの見直しに関する記事を紹介します。原文は下記URLを参照してください。
https://www.straitstimes.com/asia/se-asia/malaysia-to-decide-on-singapore-kl-high-speed-rail-very-soon-pm-mahathir


引用はじめ
5月9日のマレーシアの政権への選出後、初めての閣議を主催したマハティール首相は、閣議後の記者会見で次のように述べています。


「シンガポール-KL間の高速鉄道(HSR)のような巨大プロジェクトはまもなく意思決定を行う。また、前政権の下で国土公共交通委員会(SPAD)がHSRの契約交渉を主導してきたが、これは廃止する。その仕事は交通省が引き継ぐことになる。


契約の透明性を確保するため、政府が見直しを行う他の巨大プロジェクトには、東海岸と西海岸を結ぶ東海岸鉄道(ECRL)も含まれる。」


前政権の下で、2016年に契約締結予定だったシンガポール-KL間350kmの高速鉄道建設プロジェクトHSRは現政権の下で見直しがなされることになります。


500億リンギ(約1兆3000億円)と見積もられているHSRはシンガポールとKLを90分で結びます。事業主体のMyHSR社の社長は、今月始めに、もしHSRをやめることになればマレーシアのGDPは2,090億リンギ減少するという試算を述べています。


午後に行われた別の記者会見で、新交通相は意思決定時期に付いての明言は表明しませせんでした。


マハティール首相は米国を本拠とする海底探索会社と締結した行方不明となっているマレーシア航空MH370便の探索契約に付いても見直しを表明しています。前政権は90日以内に機体を見つければ最高70百万米ドルを払うという契約を締結しています。


引用終わり


新政権は政府の債務が1兆リンギあると発表しており、通貨危機の引き金にならなければいいと思います。


外資からの借り入れが多いこともあり、政府支出は抑えることになると予想されます。GDPの伸びはシュリンクすることになるでしょう。


中国の経済的植民地になるよりは、支出を抑制し、当面は国力の充実を図る方向になって行くことが予想されます。原油価格の今後の高騰がこの国の唯一の救いになるかもしれません。

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