小切手行方不明事件

銀行振出チェック事件は実は車の盗難事件と平行して進行していました。


外国人が大きな金額を銀行口座に入金するためには(具体的には外国人が現金で口座に入金できるのは1万リンギまでです。)現在は小切手によらなければなりません。(以前はそのような規制はなかったのですが、マネーロンダリング規制や首相が絡む1MDBスキャンダル事件発生の影響でしょうか?)


そのような規制があることは承知していたので、今まで使っていた銀行とは異なる銀行で新規口座を開くに当たって、取引銀行で銀行振り出し小切手を作ってもらい、新規銀行に持ち込みました。既報の通り、最終的には新規口座は開設できなかったため、作った小切手は不要となってしまいました。そこでやむなく自分の預金口座に戻すため、小切手の裏に自分の口座番号を入金先として指定して、現銀行の他の支店(振出銀行とは異なる支店)の小切手入金ボックスに投入しました。振出銀行に持ち込まなかったのは「他行で定期預金をするため。」と断っていたので、それができずに、戻すことになって、ばつが悪かったことは否定できません。それは振出日の翌日8月9日のことです。


通常は交換所で現金化されるまでは使用可能額からは控除されますが、残高としては翌日には残高に反映され、交換所での交換が完了した段階(通常は3日後)で初めて現金としてカウントされることになります。


ボックスに小切手を投入して1日経ったときに、インターネット バンキングで口座残高を確認したところ、小切手金額が口座残高に反映しておらず、そのときは、現金化される3日後に反映するのかもしれないと、善意?に解釈し、3日後に残高を再確認したところやはり残高に変化はありませんでした。


そこで小切手を投入した銀行に出向き、小切手振り出し依頼書を示して「投入した小切手が指定した口座に入金になっていないので調査してください。」と申し出たところ、担当者は「投入された小切手は交換処理のため、すべてKLに送っているので、こちらでは分からない。KLに問い合わせてみる。」との回答。そのまま暫く待つと「小切手を投入したとき、受取証は出てこなかったのか?受取証がないと調査できないとKLの担当者が言っている。」との支店の担当者の言。


確かに小切手の投入ボックスによっては受付証のようなものが出てくるボックスもあるようですが、私が入れたのはそのような機能はなく、投入してそれで完了というボックスであることを説明すると、その点は納得してくれ、「小切手振り出し依頼書に示された小切手がKLに現在あるかどうか調査してみる。」ということで、調査待ちということになりました。


結局KLでは小切手は見つからないという回答が数日後ありました。そこで小切手をキャンセルするべく、振出銀行に向かい、キャンセルを申し出たところ、「キャンセルはできない。小切手についてはこちらでも調べてみる。」とのこと。


マレーシアの小切手はいわゆる線引き小切手なので、第三者が現金化することはできないので盗用のリスクはまずないとは思うものの、相当な期間が経過したあとでなければ、小切手自体が無効とはならないため、その間の金利運用益の機会損失となってしまいます。(まー、損害としてはそれだけだということはありますが。)


その日のうちに、「調べてみる。」と請け負ってくれた振出銀行の担当者から連絡があり、「小切手を提出した支店で小切手が見つかった。」とのこと。その日は営業時間も過ぎようとしていたので、翌日その支店に出向くと、「小切手受け入れボックスには受け入れ口が上と横の2ヶ所あり、横の受け入れ口に投入するべきではなく、上に入れるべきだった。あなたは横に入れたので、小切手が下に落ちず、処理できていなかった。」と担当者が言います。「それなら横の口は閉めて置けよ。」という言葉は飲み込んでおきました。小切手問題が解決したのは8月22日のことです。13日間も無駄にしてしまいました。


「今から入金処理しますか?」と担当者が聞くので、「この支店では今後一切取引しません。」とお断りしました。この支店の担当者の言い訳は、もっともなようにも聞こえますが、全く腑に落ちたわけではありませんでした。


やり取りの概略は概ね以上の通りですが、ここでは細かく書いていませんが、いろいろな銀行担当者の無責任な言葉がこの間に多々ありました。マレーシアの小切手の受け入れ制度には最終的には元本流用のリスクは殆どないものの、少し怖い面はあります。


口座開設に絡む与太話から、車の盗難事件、小切手紛失事件と面倒な事件に巻き込まれてしまいました。与太話に乗った自分の愚かさに反省です。


次回はTMについて書いてみたいと思っています。

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