イポーのバクテー

肉骨茶といわれる、マレーシア独特のマレーシアン チャイニーズ フードはその発祥がクランの労働者の朝食だったといわれるように、クランを中心に広まった料理で、それ以外の土地の肉骨茶はクランの料理を真似たもので、亜流に過ぎないといわれています。


その料理の中身は、中国各地から連れてこられた中国人の肉体労働者が、肉体労働のための食事として、豚の内臓肉を含んだあらゆるものを、漢方の薬味で匂いを消して煮込んだもので、激しい労働に役立つ食事として考案されたものでした。中国各地から連れてこられたといっても、自分の意思でマレーに渡ってきたもので、朝鮮人の徴用工のように、強制されて連れてこられたとでたらめをわめき散らしているのとは異なり、その運命を自ら選択してきたものとして受け入れている中国人には尊敬の念さえ覚えます。


そのような背景を持つ肉骨茶ですから、クランバレー以外のものは亜流ということになるからか、イポーではなかなかこれといった肉骨茶には出会えませんでした。たまに、いい店かもしれないと思って、次回行ってみると、経営者が変わったためか、むしろフードコートで食べさせる肉骨茶のほうがまだましだといえる程度のものでした。


イポーガーデンの外れにあるケイニング ガーデンといわれるレストランもそんな一つで、前に入ったときは、そこそこの味だったので、今回再び入ってみると、もう二度と行きたくないという味に変わっていたりします。短期的な利益獲得を目指して営業しているので、長期的な視点では営業はしていないということになるのかもしれません。


そんな中で、今回発見した肉骨茶はその中身、接客態度、客の評判などあらゆる点で豪黒点をつけられる店でした。好みの部位をちゃんと聞いてくれ、英語がはっきりと通じることも加点材料です。朝早くから営業しているようですが店は満員で、従業員が活発に客の対応に当たっています。店の名前は”Lee Soon Bak Kut Teh”で地図で検索すればすぐ出てきます。場所は旧市街から程近いところです。

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