人類、日本人

人の寿命が現在80年だとしても、戦国時代には "人間50年" といわれ、おそらくそれ以前はもっと寿命は短かったと推定されています。地球ができて約45億年。そして人類といわれるものが登場してから20万年から30万年経つと一般的には言われていますが、人類の誕生から我々の代になるまで何世代が存在したのか、1世代が30年としても約1万世代がこの間に存在していたという計算になります。


日本人の先祖を今から何世代前までトレース可能かというと、天皇家や一部を除外すればせいぜい15,6代(つまり戦国時代あたりまで)辿ることが可能だというところではないでしょうか。1万世代のうちのわずか20世代に満たない先祖までしか辿れないのです。


我々日本人の最も古い歴史は、神話の世界が事実だったとしても、約2,700年前の神武天皇の即位(今年は皇紀2677年にあたります)からで、それ以前の政治的な歴史は伝わっていません。


魏志倭人伝という当時の中国の歴史書と称する書物に出てくる邪馬台国という国が西暦2世紀中ごろにあったという記録があるそうですが、それが日本全体を統一した国なのか、単なる一つの地方の村落だったのか、更にいえば、それが事実なのかさえ、様々な主張は存在しますが、残念ながら確かなことは分かっていません。ほぼ確定している最古の日本の歴史は聖徳太子あたりからだというのが実情だと思います。それから大体1400年間の歴史しか確かなことが分からない日本の歴史は、人類全体の歴史から見れば、殆ど分からないことばかりだということになります。


それでも現代科学を駆使した遺伝子情報によると、日本人の祖先は現代のパキスタンあたりに住む人々と遺伝子的に近く、その一部の人々が海を超えて日本列島にたどり着いたという説が有力になっています。日本の周辺国の人々と日本人は遺伝子が異なることから、日本人は全く異なる集団として日本列島に住み着き、次第に国家を形成していったというのが定説になってきているようです。


いつごろから日本列島に住み着くようになったのかまでは分かっていないようです。20万年から30万年前に人類がアフリカで誕生し、7万年前ごろにそこから全世界に出て行ったというのが通説になっているようですが、縄文文化が日本最古の文化だとすれば1万5000年前には人々が日本列島に住み着いて、文化を形成していたということになるので、5万年以上をかけて、アフリカからパキスタンあたりを経由して日本列島にたどり着いたということになるのでしょうか。


そう考えると1万世代前には同属の仲間であった集団が、日本人に成ったということが言えると思われます。


かつて地球を闊歩していたマンモスが一瞬で絶滅したように、何かをきっかけにして人類もいつか絶滅のときを迎えるのかもしれません。なぜか平家物語の前文「ひとえに風の前の塵に同じ。」や方丈記の前文「行く川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず。」が心にしみる、今日この頃です。


次回は一転してグーグル地図とカーナビについて書いて見たいと思います。

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