イポーの駐車クーポン制度

車社会のマレーシアにとって駐車場のシステムをどのように運用していくかは大きな問題です。嘗てKLでは日本のように、駐車スペース1台ごとに、料金を徴収するための機械を設置していましたが、10年前ごろからその方式を取りやめ、PJも含めて券売機を設置して駐車券をフロントガラスの前に見えるように設置する方式に変わりました。


こうすれば設置する機械の台数は大幅に削減でき、メンテのコストも大幅に削減することが可能になります。券売機の台数は大幅に減り、メンテのコストも減ったはずですが、機械なので故障はつきものです。故障したままの機械がそのまま放置され、それを理由にして駐車料金を払わないで駐車する人たちの言い訳にもなっているのがKL、PJの現状ではないでしょうか。また駐車違反を監視する人員も少なすぎるきらいがありました。去年の半ばごろから、KL、PJの大幅な駐車料金の改定が実施され、概ね従来の2倍になり、それを機に、監視員の人数が増やされ、違反取り締りも若干厳しくなったように感じられましたが、最近はどうなっているのかは把握していません。


イポーでは駐車するためのクーポンを購入する方式になっています。クーポンを販売するエージェントと呼ばれる店が中心部ではいたるところにあり、違反を監視する人員も十分に配置されているようです。この方式では機械を使わないので、機械のメンテが不要になり、管理すべき項目はエージェントへのクーポンの配布とエージェントからのクーポン販売代金の回収、そして駐車違反取り締り人員の管理ということになり、すべて人力による管理ということになります。


ここでは機械が故障だという抗弁は成り立ちません。違反金の回収は市の窓口に一本化しており、監視員個人が勝手に回収することはありえません。リスクとしては監視員が違反キップを食べてしまい、裏で現金を受け取るというケースですが、違反書は連番で管理されるので、欠番があった場合には厳しく欠番理由が追及される(と思われる)ので、違反書を発行してからの不正はまずできないようになっています。イポーのように人力で駐車違反を取り締ったほうが間違いが少ないように思われます。


このように書いてくると私の立場は駐車違反取締りを奨励しているように見えることと思います。そうです。私は駐車違反の取締りをもっと徹底的にやってもらいたいと思っています。これには反対意見を持つ人がいることは十分予想されますが、あえて私の個人的な見解を前面に出しました。


KL、PJでは二重駐車、三重駐車、駐車違反は当たり前で、駐車スペースを探すのに、いつも苦労していました。駐車スペースの問題で出かけることに躊躇するケースも常のことでした。


イポーに来て感じたのは、駐車することが非常に楽で、違法駐車がまず見られないことでした。


その理由は、イポーの車の台数がKLに比べて少ないこともありますが、市の中心部でさえ駐車することが比較的楽なのは、それだけが理由ではないと思い至りました。駐車違反の取締りが厳しく行われていて、駐車の回転が速く、無駄な駐車がないということではないかと思いました。駐車料金を大幅に引き上げて、不要不急の駐車をなくすという方法も考えられますが、違法駐車の徹底取締りのほうが負担を増やすことなく、必要な駐車スペースを確保できる、一つの方策であると考えられます。今後も市当局が雑音にひるむことなく、違法駐車の徹底取締りを実施していただきたいものです。


かくいう私も実は駐車違反でキップを2回切られています。既に過去に書きましたが、1回は有料だと知らずに止めていたTMの敷地内での駐車と、もう一回は車の盗難事件に絡んで、車が見つかったときに駐車違反の切符が張られていたときです。短時間で2回も駐車違反になれば、今後は気をつけようという気にもなります。


次回はスリ事件について書く予定です。

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