マハティールの首相辞任

マハティールが首相辞任と連合政権であるPH(希望連盟)からPPBMの離脱を表明し、マレーシアの政権の行方が一挙に不透明になってきています。


マレーシアの複数のニュース記事をベースにして、現在の状況について、私的な見方を紹介します。


マハティールは先週の段階では、アセアンが閉会する今年の11月まで首相の座にとどまることを表明していました。これに対してPKR総裁のアンワールを首相に推す勢力から、長すぎるとか、政権移行時期をはっきり示せという批判が巻き起こり、マハティールは嫌気がさしたのか首相の座を降りるという判断に至ったようです。


2月24日に国王に対して辞表を提出し、これが受け入れられるとともに、首相の職務を当面は努めるように国王から指名されました。


PPBMが連合政権から離脱した後、さらに、PKRから11名の離脱者がでて、独立の政党を立ち上げることを表明しているので、与党となっているPHを構成するのは、第1党となったDAP(中国人グループ)の42名で、第2党がPKR39名、そしてAMANAH11名の合計92名ということになります。全体の議席数は222人なので、現状、少数与党ということになります。


今後、各政党間で首班指名に向けて合従連衡の駆け引きが予想され、遠くない将来に選挙ということになると予想されます。


腐敗したBN政権を倒したまではよかったのですが、政権内部の足の引っ張り合いが激しく、内部崩壊の危機をはらんだ見せかけの脆弱政権であることが露呈した格好です。


マレーシアでは中国人が首相になることはないので、政党の現在の勢力から見て、第2党のPKR総裁であるアンワールが首相に選出されるというのが、順当と思われますが、見えないところでの合従連衡の結果どうなるか、予測不能です。選挙の洗礼を受けた後、安定した政権が形成されることが望ましいとは思いますが、HPという場を与えられながら、政権を崩壊させた人たちですから、どうなるかわかりません。

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