マレーシア映画

10月25日から11月3日まで東京の六本木ヒルズで開かれる第30回東京国際映画祭(TIF)のコンテストでマレーシアの映画監督エドモンド イェオ監督の作品が上映されます。


コンテストで上映されるのは88カ国1,538作品の中から選別された15本の映画だけです。なお、同監督の最初の長編映画である“ドリアン爆発の川”は3年前にTIFで上映されています。


3年前の作品はレアアースの生産に放射性物質が出ることの対する高校生とその教師の戦いを描いた映画で、社会性を持った映画でした。今年コンテストに出品されるのはダファイン ローとホワード ホン カオエ主演の“アキラート”という作品ですが、この作品はまだマレーシアで上映されるめどは立っていません。


アキラートは“ロヒンギャの死後”と言う意味で、ある女性が暗闇へ落ち、助力によって自分を見出すという話です。


主人公は新しい人生をスタートするため台湾に行きますが、その後マレーシアとタイの国境で人身売買業者として働き、ロヒンギャの難民に対する恐怖への参加者/証人となってしまいます。


「この映画は主人公の暗闇からの精神的な旅を描いています。またロヒンギャ難民に対して何が行われているかについてもっと議論や対話を作り出すことを狙っています。マレーシア人はロヒンギャ問題を認識はしていますが、日本で対話が開かれることも願っています。女性を主人公に選んだのは、女性中心だった前の作品に女性の写真家というのは近いのではないかと思ったからです。また、幼稚園の先生が人身売買の犠牲になった新聞記事を見て、映画のテーマにしようと思いました。現代のマレーシア人に影響を与えている今の社会問題を映画にしたいと思っていました。」


TIFでは“ヤスミン さん”という題名の70分のドキュメンタリーも紹介されます。日本の映画ファンには故ヤスミン監督の映画を通してマレーシアの映画が紹介されてきたことを同監督は知り、故ヤスミン監督の殆どの作品に出ている女優のシャリファー アマニを主演に起用しています。この作品のために同監督はヤスミンの友人、仲間、家族に話を聞いています。


「彼のお母さんが今年4月に亡くなる前にもインタビューし、ヤスミンの作品を集めているイポーの博物館でも多くの資料を得ました。私はヤスミンと面識はありませんが、ヤスミンを知っている人にとって、このドキュメンタリーが間違っていないことを望んでいます。」と同監督は語っています。


同監督の作品のほかに最近マレーシア映画祭でベストにランクされた” Adiwiraku”(親友)もTIFで上映されます。

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