宮川大使が副首相を表敬訪問

駐マレーシアの宮川日本大使が6月18日、副首相兼女性・家族・社会開発相のワンアジザを訪問したというベルナマの配信記事を紹介します。記事原文は下記URLを参照してください。
http://www.thesundaily.my/news/2018/06/18/malaysia-japan-keen-expand-collaboration-various-areas-wan-azizah


引用はじめ
ワン アジザは副首相と女性・家族・社会開発相を兼ねていますが、その事務所を表敬訪問した宮川大使との共同記者会見で副首相は次のように述べています。


「マレーシアと日本は災害管理、社会保全政策を含めた様々な分野での協力拡大に熱心に取り組んでいます。日本は災害管理に多くの経験を持っており、これは国家災害管理局(NaDMA)が恩恵を受ける可能性がある分野の一つでもあります。これには、災害の予想と準備に役立つ早期警報技術や大災害が発生した際にどのように対応するかに付いての予めの計画などのいくつかの分野でのノウハウの供与を含んでいます。


大地震が起こったときに日本は既に総合的な対応システムを持っていると承知しています。これ以外に、早い段階から災害を緩和するのに役立つ災害危険縮小の専門性と災害対応準備を開発するための大規模な演習が我々には必要です。
 
高齢化と女性の能力開発もマレーシアが日本の支援と助けを求めたい分野です。マレーシアは2030年までに高齢化問題に直面しますが、日本の社会保護政策をもっと知りたいと思っており、高齢化問題での日本の専門性から学びたいと考えています。


私たちは女性の能力開発の分野に於ける相互の訓練可能性に付いても議論し、意見交換しました。日本が今後も我々を支え、我々と緊密に作業することことを約束してくれてうれしく思います。相互に恩恵がある関係が続くと思っています。


日本国際協力機構(JICA)や日本交流基金を含めた日本の機関の援助に感謝しています。これらはマレーシアの様々なプロジェクトを支える機関です。女性・家族・社会開発省の多くの職員がJICAによる訓練を受けました。本当に感謝しています。


日本はマレーシアとアセアン諸国の緊密な友人でありマレーシアの開発に主要な役割を果たしてきました。日本企業はマレーシアにおける主要投資者であり続けており、多くのマレーシア人が日本で教育を受けています。


日本から多くの機器を輸入したのに加え、マレーシアの会社は、マレーシアの多くの産業界のユビキタスとなっている品質管理サークル(QCサークル)や生産システムを含めた日本の経営技術の学習と採用の恩恵を受けてきました。」


一方宮川大使は次のように語っています。「ワン アジザとの議論は実りの多いものだった。日本は、マレーシアの洪水の早期認識を含めた災害管理に於ける技術、ノウハウ、専門性を提供する用意がある。日本はその専門性も共有し、今はまだ喫緊の問題ではないが準備の必要はある高齢化問題について、マレーシアに役立ちたいと思っている。人的資源開発、技術移転、マレーシアの地元機関との協力を続け、マレーシアが東南アジアのよきリーダーになることは喜ばしいことです。」
引用終わり


官製の協力がどこまで有効なのかは議論があるところですが、プレゼンスは無いよりもあったほうがいい意味では、効率性や有効性に問題はあるものの、少しは役には立っていると評価すべきではないかと考えます。


アリババの創業者のマ氏が同じ日にマハティールと面談しています。単独で政府要人と面会できる日本の事業家は今はいないのでしょうか?10年ほど前に亡くなられましたが、嘗ては、マハティールにタンスリに推奨された某商社の常務にまでなったSさんという人がいましたが、今はそんな人の名前を聞くことがないのは残念なことです。

中国との関係

マレーシアの新政権が中国とどのように向き合っていくのかは今後の注目点ですが、これに付いてAFPが発信した記事を紹介します。記事原文は下記URLを参照してください。
https://www.thestar.com.my/news/nation/2018/06/17/malaysia-power-shift-hits-china-infrastructure-drive/


引用はじめ
マレーシアは、嘗ては中国のインフラ世界戦略の忠実なパートナーでしたが、新政権は中国が後ろ盾になっているプロジェクトの見直しに入っており、中国が非常に重視してきた政策の鍵となる関連プロジェクトの脅威になりつつあります。


スキャンダルで汚れたナジブの前政権は中国と親密な関係を持ち、主要鉄道や深海港を含む中国が出資する一連の取引にサインしてきました。しかし、長期に渡る連合政権は汚職と生活費の高騰への怒りで、先月突然に政権を失ってしまいました。


批評家がいうには、中国との合意文書の多くは透明性を欠いており、疑いに火をつけ、最終的にはナジブ政権を倒すもとになった金融スキャンダルの債務返済と交換に、攻撃に晒されました。


政治に重点をおくマハティールが率いる新政権は、マレーシアがインフラを推し進める中国の最も協力的なパートナーの一つになっているマレーシアの立場に疑問を唱え、疑わしくみえる中国との取引の見直しをするとしています。


昔のシルクロードを復活するという一帯一路といわれる中国の野心的政策は港、道路、鉄道の世界的なネットワークをもち、2013年に開始され、習近平の経済的中心政策になっています。


マレーシアは親中国のカンボジャとともに、他国のプロジェクトが、土地取得から資金拠出までの政府との交渉で問題に直面する中で、東南アジアの輝くスポットと見られていました。


あるシンクタンクの上級パートナーは次のように語っています。「ナジブのもとでのマレーシアはプロジェクト実行の許可にすばやく動いた。シンガポールの研究所によると、2008年のマレーシアの正味の外国直接投資の流入額では中国は全体の0.8%だったが、2016年には14.4%になった。


マレーシアは1MDBの債務をカバーする助けを求めたいと考え、中国とのすばやい取引に走ったと、広く考えられている。」


ナジブとその一味は大きな不正によって国策の投資会社から多額の公金を盗んだとして非難されています。ナジブと1MDBは否定していますが、民衆の怒りが政府を転覆させた力になっています。


中国の計画は脱線したのでしょうか?


新政権は国の巨額な債務を減らす視点で、KL・シンガポール間の高速鉄道建設はストップを通知しました。


プロジェクトは初期段階であり、一帯一路の一部分として、中国からの資金はまだ受け取っていませんでした。しかし、中国の会社(複数)は中国の雲南省から、中国の商品を輸出するための取引のハブとなるシンガポールまでの高速鉄道の一部を構成することになる路線の一部を建設する恩恵を与えられていました。その路線の一部として既にスタートしていたのが、タイ国境近くからクアラルンプール近くの港までを結ぶ140億米ドルの東海岸鉄道で、資金は既に出され、建設も始まっています。


マハティールはその合意書に付いては再交渉していると言っています。


その他の中国資本のプロジェクトの中に重要な航路と広大な産業地の近くのマラッカの深海港があります。


現在は、まだどのプロジェクトが変更され、キャンセルされるのかははっきりしませんが、いくつかには斧が振るわれると予想されています。


資本経済の専門家はいくつかの政策をキャンセルすることに賛成し、「マレーシアの財政が弱いし、プロジェクトの中には疑わしいものもある。」と語っています。


中国外務省はコメントを求めても反応していません。しかし、最近の中国の国営のタブロイド紙である”グローバル タイムス”は「もしマハティールが中国の会社の利益を害するならば保障を求める権利がある。中国政府も中国企業の利益と権利を護るため、断固とした手段をとるだろう。」と書いています。


中国の心配に加え、マハティールは中国のライバルである日本に明確な傾注を示しており、政権に付いて初めての外国出張に東京に行っています。この訪問により、マハティールは中国との関係に冷気を示し、「中国とは良好な関係を持ちたいが、中国に金は借りたくない。」と語っています。


引用終わり


中国は世界に振りまいている原資はどこから来ているのかが問題になりますが、ほとんどが借り入れによるものといわれています。貸付先がつまずくと、バブルがはじけたように一挙に崩壊する可能性があるとも思われますが、どうなるでしょうか。


マレーシアも資金的にどのように今後マネージしていくのか、目が離せません。


THM募金活動

マレーシアの巨額債務発覚を契機にして、新政権が募集を開始した募金(THM)活動に付いての専門家の見解がニュースになっていますので、紹介します。記事原文は下記URLを参照してください。https://www.thestar.com.my/news/nation/2018/06/16/tabung-harapan-likely-to-service-debts-with-earlier-due-date-says-economist/


引用はじめ


THBで集められた金額は些細なものと思われるかもしれないが、寄付は返済期日の迫った政府債務に充てられることになるでしょう。


政府債務は1兆リンギ(約37兆円)を超えていますが、6月14日午後3時までに集められた募金は66.67百万リンギ(25億円弱)です。


集められた資金は1MDBの社債の今年9月から11月までの利息額10.21百万リンギ(約3.8億円)の支払いに充てられる可能性があると専門家は予想しています。


「募金額は全体の債務金額に比べれば少額だが、他の目的に使われることはなく、債務返済に使われると確信している。なぜならば、この募金活動は、人々が政府を支持していることを示す純粋な愛国的な動きだからだ。」と専門家は言います。


しかし、マハティールは「募金活動は国の債務削減を目指し、前政権による誤った金融政策に対する人々の反応のうちに始められた。」と語っています。


このような国家レベルでの募金活動は、1997/1998年のアジア通貨危機、あるいは地元ではIMF危機としてよく知られている時期に、南朝鮮でも同様のキャンペーンを行っているので、マレーシアが始めてのことではないことは専門家は認知しています。


専門家に「人々に対して、国を救うための募金の期間や目標金額に付いての明確なガイドラインを示すべきではないか?」と質問すると、専門家は「募金活動は単なる愛国心のキャンペーンなのです。財務相は以前に、募金には上限はなく、ずっと続けると言っていました。」と語りました。


同相は「連邦政府の6,868億リンギ(約25兆4116億円)と社債発行会社が債務を履行できない場合に政府が代わって支払うべき政府保証債1,991億リンギ(約7兆3667億円)を含め、2017年12月末時点で1兆リンギ(約37兆円)の債務となる。


しかし、マレーシアの経済基盤は強いままであり、金融部門は安定しており、銀行部門の資本は充実していて、市場における流動性は十分ある。」と語ったと報告されていますが、THMの具体的な目標額やタイムラインはこれまでのところ発表されていません。


政府は組織的に透明性をもって募金全体を管理し、集められた募金は財務省のウエブサイトで毎日アップデートすると財務相は約束しています。


引用終わり


政府の政務の借入先が国内ならば、国内で募金を集めてその返済に充てるという考え方もありうるとは思いますが、借入先が国外である場合は意味がある方法とは思われません。


それと、1兆リンギの中身に付いて、初めて知ったのですが、偶発債務である保証債務を実際の債務に含めてしまうという考え方は、どうなのでしょうか?債務金額を誇張するために意図的に膨らませたと思われても仕方ありません。


しかし、1MDBの債務問題はマレーシアに今後重くのしかかってくることは覚悟しておくべき問題であることは確かです。返済期日が近づくたびに、資金繰りに頭を悩ますという状況が続くのではないでしょうか。

スマホ充電中の爆発で死亡事故

スマホ充電中に爆発が発生し、火災になり、亡くなった人が出たというニュースがありました。その一部を紹介します。記事の原文は下記URLを参照してください。
https://www.thestar.com.my/news/nation/2018/06/15/cradles-nazrin-killed-by-shrapnel-from-handphone-explosion/


引用はじめ
クレードル ファンド社の代表者ナズリン ハッサンが、スマホ充電中の爆発による火災で亡くなりました。


初期の段階で、ナズリンは6月14日にムティアラ ダマンサーラの自宅の部屋が火事になり、煙にまかれて亡くなったとされていました。


家族の友人によると、ナズリンは当日午後に頭痛を訴え、薬を飲んでベッドに入ったということです。


消防局によると、午後12:30に通報を受け、2台の消防車と14人の局員を派遣し、12:46に現場に到着後、12:53に消火が完了したとのことです。
犠牲者の体の約30%に火傷があったとのことです。


同社は声明で次のように発表しています。「検視により、死亡の原因は充電中のスマホの爆発による爆風のためだと結論付けられました。この時点で死因に付いての憶測は全く不必要です。この悲しみの時に、家族のプライバシーをすべての人が尊重していただきたい。


彼は15年以上にわたり、初期段階の新技術の立ち上げのための金融ビジネスの促進に貢献してきました。イノベーションへの彼のビジョンと愛は我々がやってきたことの核心でした。彼は仕事を愛していましたが、最も愛したのは家族でした。会社は見識と創造的天才を失い、世界はすばらしい人間を失いました。彼を知り、一緒に働く幸運を得た我々は友を失い感動的な指導者を失いました。云々」


引用終わり


充電中に爆発したスマホのメーカー名は明らかにされていません。


この事件は、リチウムイオンバッテリーの技術がまだ確立されていないことを意味しているのか、あるいは発生確立が限りなくゼロの近い不運な事故なのか、不明です。


リチウムはナトリウムと同様に敏感な金属で、異物に即座に反応し、爆発する性質を持っているということは確かなことです。


リチウム イオン バッテリーの製造過程は完璧さが要求されています。そこに何らかの落ち度があると、バッテリーが危険物になってしまいます。



エアアジアの増便要請が拒否される

ラマダンがおわり、6月15日からはイスラム歴の月の名前がラマダン(9月)からシャウワール(10月)になります。シャウワールの最初の日は、西暦で今年は6月15日なのですが、プアサが終わったお祝いで、日本の新年のような状況になります。


お祝いムードの中にあって、新聞記事もこれといって注目するようなものはありませんが、エアアジアの増便に対する見解に関する記事を紹介します。記事原文は下記URLを参照してください。
https://www.thestar.com.my/news/nation/2018/06/14/airasia-says-mavcom-reason-for-rejecting-additional-flights-misleading/


引用はじめ
エアアジアはマレーシア航空委員会(Mavcom)がエアアジアの増便許可の要請を“全く間違った道だ”として拒絶決定したことに対してその根拠を求めています。


6月13日にMavcomはエアアジアが申請した、コタキナバル-サンダカン便とKL-海口(ハイコウ)便の増便申請について、客の利益に基づいた決定だとして、増便を認めない決定を下しました。「我々は便の割り当て(ATRs)について、秩序ある成長、競争、長期に渡る消費者の選択、および消費者の不便防止を観点に見ている。利用されない座席を含む収容力を超えた増便の悪影響は、翻って便のキャンセル、便の合便に至り、乗客のためにならない。」とMavcomは言っています。


エアアジアはこれに対して、「Mavcomが航空会社の見解を考慮していないのに、便の割り当てで航空会社の見解を考慮するプロセスに従っていると述べるのは不誠実だ。エアアジアは2017年11月23日、2018年2月6日、同年5月2日の3回のMavcomが召集した便の割り当てプロセスの改定提案のミーティングで、さらに2018年1月23日、2月15日、5月7日の出状でフィードバックを提出している。」と反論しています。


引用終わり


エアアジアは先の総選挙で前の与党であったBNをあからさまに応援しており、選挙の結果、このような事態が発生することも予想されていたというのは、考えすぎでしょうか。