インフルエンザへの対処
インフルエンザに関する記事です。
“風邪やインフルエンザはインフルエンザAまたはインフルエンザBビールスによって引起される伝染性の呼吸器疾患です。 マレーシアでは一年中インフルエンザが発症していますが、ピークは雨季です。2015年に保健省は国中の88の地点で12,133人の発症を記録しています。9人がインフルエンザで死亡しました。この数値は報告ベースなので報告がなかったり、インフルエンザと診断されない場合があるので、もっと実際は高い可能性があります。
インフルエンザの症状は熱、咳、のどの痛み、鼻詰りや鼻水、筋肉の痛み、頭痛、疲労感などです。子供はこれらの複数の症状が出る場合があります。健康な人が発症してから、数日から2週間ほどで回復可能です。子供の場合は肺炎などの肺疾患を併発するリスクが高くなります。喘息、糖尿病、肺疾患、扁桃腺炎、中耳炎、副鼻腔炎、髄膜炎、様々な発作、脳炎などがある場合には症状が悪化します。リスクが高い子供とは2歳以下で、これは免疫システムがまだ完成されていないためです。
風邪の症状がある子供は次のことが必要です。
1. 家で十分休むこと。他の人にうつさない為、外に出してはいけません。
2. 真水をよく飲ませること。
3. 咳や鼻水はきれいなティッシュや布で覆い、きちんと捨てること。どちらもない場合は手で覆って水できれいに流します。
子供のインフルエンザはインフルエンザ ビールスに効く薬で治療が可能です。医者の処方が必要です。
風邪から子供を守る最善の方法は毎年ワクチンを注射することです。6ヶ月以上の子供は2つのタイプのワクチンのうち、シーズンにより一つのワクチンを打つことが推奨されます。
ひとつはトリバレントで、インフルエンザA(H1N1)ビールス、インフルエンザA(H3N2)ビールス、インフルエンザB(ビクトリア系統)ビールスの3タイプの風邪のビールに有効です。
もうひとつはクオドリバレントで、インフルエンザA(H1N1)ビールス、インフルエンザA(H3N2)ビールス、そして2タイプのインフルエンザBビールス(BビクトリヤとBヤマガタ系統)の4タイプのビールスに効きます。
6ヶ月未満の子供にはワクチンは使えません。両親、兄弟、祖父母、世話をする人たちなど回りの人たちがワクチンを打っておくべきです。主治医に相談後、全国の公立、私立病院、クリニックでワクチンは接種出来ます。
間接的にワクチンを打っていない、打つことができない、打てる環境にない人々を守るためできるだけ多くの人がワクチンを接種することが望ましいのです。このタイプの広範な保護は”群れの免疫”とも呼ばれています。免疫は個人を守るだけでなく社会全体を守るのです。
妊娠中、授乳中の女性は潜在的に風邪の合併症のリスクが高いのでワクチン摂取を強く勧めます。インフルエンザ ワクチンは妊娠中のどの時期に接種しても安全に管理されていて、妊娠6ヶ月未満の胎児にも胎盤を経由して移転します。
子供の呼吸疾患、特に熱には注意深く観察してください。高リスクの子供の風邪は深刻化する場合があるからです。子供や社会全体のインフルエンザを減らすために、子供のインフルエンザのトータルの影響に両親は気づいて欲しいです。”
これはマレーシア小児学会の育児プログラムにダトック ドクター ザルキフリ イスマイルが寄稿したものですが、日本の現状とはかなりの違いを感じました。
日本では風邪という病気そのものは存在しないという考え方で、インフルエンザと混同して使うことはありませんし、インフルエンザはなぜか冬の季節に多いので、冬に備えてそのシーズンに流行しそうなインフルエンザのタイプを予想して、ワクチンを接種します。
ワクチンそのものはかなり毒性が強く、数日間は経過観察が必要となるほどで、6ヶ月を超えた乳児にインフルエンザ ワクチンを接種することはないのではないかと思います。
国によって同じ病気でも対処方法が異なるものです。どちらがいいのかは専門外の自分には分かりませんが。