ナジブの反論

5月24日(木)に5月22日に続き二回目となるMACCへのナジブの出頭がありました。ナジブはこの日の午前9:45に出頭し、同日5:00少し前にMACC本部を後にしました。質問は10:00にスタートし、午後4:30まで、休憩と祈りの時間約30分をはさんでネット約6時間に渡り行われたということです。質問内容は1MDBの子会社であるSRCからの42百万リンギの現金の受け取りについて集中していたということです。今後更に出頭するのかに付いては明らかにはされていません。


2回目の出頭前日の夜にナジブは政府の債務が1兆リンギあると新政権が発表したことに対して、批判声明をを発表していますので紹介します。原文は下記URLを参照してください。
http://www.thesundaily.my/news/2018/05/24/governments-statements-finances-hurting-country-najib


引用はじめ
争点のさなかにあるナジブ元首相は、国の債務に関する新政権の声明が株式市場下落に繋がったとして、批判声明を出し、困惑させたり、ミスリードするような声明が更に出されると株式市場が混乱するだけで、国家損失に繋がると警告しました。以下がその声明です。


「反対党の今の言葉や非難の重みは、首相や財務相として権力を取った今は全く異なったものになる。政府の債務はGDPの65%という数値は公式数値の50.9%から飛び跳ねており、今の債務が1兆リンギだと、その詳細な意味を語らずに公表することは、信用格付け機関と我々への投資家の信頼に警報を発することになる。その結果、マレーシアの株式市場は40.78ポイント、2.21%下落し、1日で市場価値の数百億リンギが消えたことになる。


対照的にインドネシアの株式市場は0.71%値上がりしている。確実に、この下落は従業員準備基金(EPF)や国立資本会社(PNB)などの我々の基金に影響を与え、数年に渡りそのメンバーへの配当が低下する。


国の信用格付けが下方修正されることを心配するなという声明を出すことで、格付け機関の信任を落ち着かせることになる。信用格付けの下方修正があれば、年間100億リンギの金融コストと、国際市場で資金調達しているわが国の銀行の損失が発生する。新しい政権は、公約を実現する能力が無いことを正当化するだけのために、批判的な財政状況の認識によって、私を責めるな。そして、国の負担による公共サービスや国民の福祉を縮小するな。私を責めるために1MDBの誤った情報を流したり、その話の一部分を流すこともできるだろうが、政争の時は終わった。今、株式市場で証明されたように、権力に就いているときに話した言葉は、国と国民に実際の損失を与えるのだ。」


マハティール首相とリム財務相は、前政権が残した政府の債務は既に発表されている6,850億リンギではなく1兆リンギだと発表しています。


引用終わり


マレーシアの株式市場は23日に2.21%、24日に1.58%とこの2日で合計3.8%ほど下落しています。新政府が発表した債務残高が今までの発表よりも大幅に増加していることから、マレーシアの信用格付けの低下が予想され、それによって調達コストが上がるため、金利上昇から景気の低下が予想されるということでしょうか。為替に付いても原油高であるにもかかわらずUSDが4リンギに限りなく接近してきており、リンギの下落傾向が見られます。


しかし、信用格付け低下を避けるために真実の数字を公表しないという姿勢には与することはできません。隠蔽はかならず暴露されるものです。

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