食事会の話題2

レユニオン食事会での話題の続きです。


家長の子供さんたちは既に30歳代から40歳代で、医者を含め各分野で活躍しているようですが、その中の一人から「安倍晋三の政策に賛成ですか?」という突然の堅い質問に、経済政策のことを聴かれたと思って、「ニュートラルです。金融面では採りうる政策は全て動員していると思いますが、財政政策が弱いと思います。」と応えました。


安倍さんの名前が知られているこ、関心も高いことも知ってびっくりしましたが、政府支出が小さすぎることもよく知っているようで、更にびっくりしました。家長が「日本政府はマレーシアとは違い、リッチなのに。」といいましたが「国債残高が大きすぎると言って財務省が政府支出を増やしたがらないからなんです。」と返しました。


夕食後の雑談だったので、あまり細かい話はできませんでしたが、ここで、国債発行に付いて、バランスシートで、大まかに考えてみたいと思います。


国債発行時の政府のバランスシート
資産:日本銀行券
負債:国債


日銀による国債買取時の日銀のバランスシート
資産:国債
負債:日本銀行券


発行した全ての国債を日銀が買い上げた場合には、これを連結した、連結バランスシートでは全て相殺消去されて、バランスシートには何も残りません。


市中が国債を購入したときの市中のバランスシート
資産:国債
負債:日本銀行券


市中が国債を日銀に売却したときの市中のバランスシート
資産:日本銀行券
負債:国債


購入した国債と同額を市中が売却すれば、市中のバランスシートには何も残りません。


政府と日銀の個別のバランスシートには、政府の負債として発行した国債残高が、日銀には資産に買い入れた国債が、負債には発行した日本銀行券が残りますが、日本国を全体としてみた場合、日本銀行券の発行残高が増加するということになります。マーケットメカニズムが働けば、金利が低下し、インフレを誘発するはずですが、投資と消費マインドが冷え込んでいる状態では投資と消費が増えません。(この状態を流動性の罠といいます)


これを解決するのは政府支出(G)の増加しかないと思います。今は国債残高の増加、プライマリーバランス(基礎的収支)の悪化を恐れずに、積極財政を採るべき時だと思います。円の価値が低くなるので、円安にも向かうはずです。円安の歯止めを米国にをかけられていて、そのようにできない可能性もあります。


細かい点を捨象した、大雑把なロジックではありますが、GDPを増加させ、目標インフレ率を達成するには、打つべき手は政府支出(G)の増額以外はないと思います。消費税のアップは市中から現金を吸い上げるので、もってのほかの政策です。このような議論を国会ですべきなのに、国会で議論されているのは倒閣を目指した、週刊誌的なゴシップの話題ばかりで、国会が全く機能していない現状は嘆かわしいものがあります。

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