世界市場に連動してガソリン小売価格下落

3月7日からガソリン小売価格が大幅に引き下げられるというニュースを紹介します。
記事原文は次のURLを参照してください。https://www.thesundaily.my/local/sharp-drop-in-ron95-ron97-diesel-prices-mof-JY2089856


Quote


“ガソリン価格大幅引き下げ”


3月7日から3月13日までのRON95、RON97の小売価格がそれぞれリッター当たり19セン、21セン引き下げられます。財務省は声明により、3月7日午前0時から3月13日までの期間のガソリン価格が、リッター当たりそれぞれ1.89リンギ、2.19リンギになると発表しました。ディーゼルはリッター当たり17セン下がり1.96リンギになります。


Unquote


マレーシアのガソリン価格は原油の世界市場での市場価格をベースにして、1週間ごとの小売価格が毎週金曜日に発表されています。


今回の価格改定は世界の市場価格が、武漢肺炎の影響による需要減から大幅にダウンしている状況を反映し、RON95が10%以上の下落が発表され、ハイオクのRON97、ディーゼルもそれぞれ大幅な下落となっています。


原油価格は、昨年はおおむね、バーレルUSD60で推移していましたが、今年になってUSD50台に下落してからは、つるべ落としのように下落を続け、一時持ち直すかにも見えましたが、現在はUSD45にまで下落しています。


下落の背景としては、言うまでもなく、武漢肺炎の影響による世界経済のシュリンクです。実需の減少が顕著になっており、大口重要者であった中国が持ち直さない限り、需用が拡大する要素が見当たらないのではないでしょうか。


ガソリン価格が下がることは、当面の家計にとってはウエルカムですが、今後の所得を考えると、あまり喜んでばかりはいられません。株をはじめとする資産価格の下落もあり、今後の所得の伸びはあまり期待できず、さらに需要減退で、負のスパイラルに陥っていく可能性が大です。


処方箋としては、金利低下が行きつくところまでいっており、利下げ余地はあまり残っていないところから、財政出動しかないと考えられますが、財政資金としての増税はもってのほかであり、借金に頼らざるを得ないのですが、「財政規律」という美名のもとで、借金回避を主張する勢力もあり、動きがとれないのが現状です。


借金を将来に残すな、という主張は、聞こえはいいのですが、それではどうする?という質問には回答できないのです。


借金は借り換えによって対応し、そのまま残しておくというのが今は最善の策だと考えますが、どうでしょうか?


ちなみに、リンギの為替は米ドルに対しては、あまり大きな変化はないのですが、円に対しては弱くなっており、ここ10年来のリンギに対する円高水準に近付きつつあります。つまり、円は米ドルに対して強くなっています。この状態は日本にとってはいいことではありません。


日本の政策はIMFなどの国際機関の勧告に素直に従うという、悪い性癖があるのですが、国際機関の言うことを素直に聞いていては、国が危うくなります。国債を増発して財政出動に回し、需要を喚起してインフレを起こすという政策が、今取るべき政策だと考えますが、これを実行できる政治家はいるのでしょうか?

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