第16代マレーシア国王戴冠式

7月30日は新国王の戴冠式のため、マレーシア全土が祝日になりました。式典は王宮で行われましたが、それを伝える記事の概要を紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。
https://www.thesundaily.my/local/sultan-abdullah-officially-installed-as-16th-yang-di-pertuan-agong-HA1174678



Quote


“スルタン アブドラが公式に第16代国王に就任”


アル-スルタン アブドラ リアヤトゥディン アル-ムスタファ ビラー シャーは、立憲君主国マレーシアの豪壮さを維持した豪華な儀式のうちに、16代国王に正式に就任しました。王宮の王の間で行われた国王の宣誓が読み上げられました。


「法と憲法に従い、マレーシアを統治する義務をまさに果たし、いつもイスラム教をを誠実に敬い、正義と国の平和的行政を護ることを誓う。」


これに先立ち、トゥン ドクター マハティール首相はスルタン アブドラを国王とすることを宣言しました。


「マレーシア国民、およびすべての人に対して、スルタン閣下たちが、アル-スルタン アブドラ リアヤトゥディン アル-ムスタファ ビラー シャーをまさにこのときに第16代国王に選んだことを宣言する。」


Unquote


式はテレビ中継されていました。


ここで、スルタンとはどういう人たちなのかを、確認しておきます。


話はマラッカ王国の誕生から始めなければなりません。


マラッカ王国の建国は1400年ごろですが、建国したのはスマトラにあったシュリー ウイジャヤの王子で、スマトラからマラッカに移住して、マラッカ王国を建国しました。その時代に、スルタンが登場してくることになりますが、スルタンを任命したのはマホメット直系のイスラム教の最高指導者とされるカリフです。各地の有力者をスルタンに任命したと思われます。


いまはカリフという制度はないので、新たにスルタンを任命する人物はなく、現在のスルタンの家系がそのまま継続するということになります。スルタンはイスラム教の指導者と政権を兼ね備える存在でした。各地域の有力者が政教権力を掌握して、スルタンとして君臨することになったのでしょう。


現在は政治的権力は殆どなく、行政府の助言と承認により、政務を行う存在になっています。


大航海時代に入り、ポルトガルにマラッカが占領され、マラッカの王族は各地に逃亡して行きました。その直系が建国したのがジョホール王国で、その家系は今でも続いています。ジョホールのスルタンがスルタンの中でも特に偉そうにしているのはマラッカ王国の王族の血筋だからということになるのでしょうか。


スルタンの歴史はせいぜい、600年ほどなので、2650年以上の歴史をもつ日本の天皇と比較するのは、天皇陛下に対して失礼ですが、今生陛下の就任式に当たる即位礼正殿の儀が10月22日に予定されています。

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