代理戦争

今、マレーシアでは武漢コロナにかかわるフェークニュースを含めた話題で持ちきりです。武漢コロナの陽性患者が増加しているニュースが出たからか、マスクについてどのような効果があるのか知ってか知らずか、マスクをつけた人が急に増えてきました。笑ってしまいますが、おかしな現象が起こっています。イベントの順延中止効果も手伝い、人通りも少なくなっているのを感じます。「みんな家に引きこもってしまって、店内はガラガラです。」といつも行く食堂の主人がこぼしていました。


一方で日本では、学校の閉鎖で、家で子供だけで食事をするため、子供でも作れるインスタント食品や冷凍食品が品切れ状態とのことです。


こんな状態が続けば、経済に悪影響が出てきます。世界的に、対策としての金融政策はすでに出尽くし感があり、余力が少なく、財政政策の方は、各国の財政事情はどこも余力が少なく、財政出動のために国債発行に頼らざるを得なくなるのではないでしょうか。減税も一つの政策手段としてはありますが、財源問題という意味では財政政策と同じ問題を抱えることになります。


マレーシアでは、前首相のマハティールが「今の状況は1997年のアジア通貨危機の時よりも悪い。」と語り、危機感を顕にしています。リンギの通貨としての真価が問われることになりそうです。


そんな中で、3月16日に政権党であるPPBS(ベルサトウ)の党の役員選挙の立候補が締め切られ、会長はマハティール以外に立候補なく、無投票選出が決定。総裁候補として現首相のムヒディンとマハティールの次男のムクリズとあと1名が名乗りをあげたというニュースの概要を紹介します。記事の原文は次のURLを参照してください。
https://www.thestar.com.my/news/nation/2020/03/16/bersatu-polls-dr-m-remains-chairman-muhyiddin-faces-mukhriz-for-president039s-post
 


Quote


“ベルサトウ選挙:マハティールは会長留任、ムヒディンは総裁ポストを争う”


ムヒディンは2名の対抗馬と総裁選へ。


ベルサトウ初めてとなる党内選挙の総裁選で、マハティールの次男のムクリズと、あと無名の1名がムヒディンと総裁ポストを争うことになります。


ムヒディンはアブバカールが推薦、ムクリズは兄のモコウザニが推薦人、マルズキが後援します。マルズキは副総裁選に出馬し、ムクリーズが推薦し、マハティールが後援します。
3名の副総裁には15名が出馬し、20名の最高顧問には約169人の候補が争います。


規定上4月18日が選挙日となるが、6月30日まで会合や集会は休止するという決まりのため、順延されるのは決定的です。党の年次集会は6月26日から28日に予定されていましたが今後発表されるまで順延されることになります。


Unquote


発足したばかりの内閣ですが、早くも人選をめぐって内部対立が起きているようです。党員数としては最大議員数のUMUNOが議員数の割に閣僚数が少ないとか、重要ポストについていないとかの不満を言いたてているということです。


もともと、UMNOとPPBMが組むというのは権力欲にかられた無理筋の話で、早晩崩壊するのは最初から明らかではありました。


総裁の席を争うムヒディンとマハティールの次男である現クダ州首相のムクリズの事実上の一騎打ちではないでしょうか。マハテールとムヒディンの代理戦争とも言えます。

×

非ログインユーザーとして返信する