MCOのマレーシアから緊急事態宣言の日本への帰国

居住するマレーシアのイポーから日本に帰国した体験談を紹介しておきたいと思います。


どっちも大変な状況にある両国ですが、まだ日本の方がいろいろな意味でましかなという判断のもと、帰国を決断しました。


日本への入国については、トランジット以外のほとんどの外国人は入国禁止で、ほとんどの国が対象となる国外から帰国する日本人は、症状がない人も、乳児であっても全員がPCR検査を受ける義務が課されます。検査の実施に当たっては、検査への同意書に署名を求められ、検査を拒否すれば、日本の入管は入国を拒否することになるでしょう。事実上、PCR検査を受けることは強制されていることになります。


MCOが出ているマレーシア出国にあたっては、不要不急の外出ではないことを疎明することができなければ、MCO違反として刑罰の対象にされかねないので、あらかじめ大使館、領事館から関係者あてに、「次のものは日本へ出国するので、便宜を図られたい。」という依頼状を発行してもらいました。この書類が必要であるという通知は、マレーシア政府の要請を受けた在マレーシアの大使館/領事館から、マレーシアに滞在する旨の居住届を出している全日本人に4月9日の9時半に発出されました。


この依頼状に最寄りの警察のエンドースメントが必要という情報もありましたが、警察に確認すると、「警察のエンドースメントは不要、パスポートと旅程表または航空券があればOK」とのことだったので大使館/領事館による出状のみをよりどころとして、検問に対応する方針のもと、KLIAにタクシーで向かいました。


KLセントラルからKLIAに向かうバスやKLIA エクスプレスは限られた運行時間帯で運行されていましたが、イポーからKLIAへの長距離バスは全面ストップで、KTMも同じ限られた定められた時間帯での運行はされているものの、運行そのものへの信頼性は全くなく、いつ運行中止になるかもしれないという危険性が感じられたので、タクシーで行くことにして、あらかじめ、知り合いの運転手に交渉し、料金を取り決めておきました。しかしその走行距離(260kmぐらい)やタクシーの場合は通常料金の半額になるとはいえ、高速道路料金(半額で30リンギ程度)を考えれば、その安すぎる料金を勘案し、当初取り決めた料金に上乗せして支払いました。運転手には本当に感謝しています。


現状では日本へ空路を確保されているのはJALとANAのみなので、その予約を取りました。


しかし、マレーシアの危険度が高まったと判断した、日本政府はマレーシアの危険度を引き上げ、邦人の帰国者全員にPCR検査を実施することにしたため、PCR検査能力を勘案し、帰国者数を絞れという政府要請を出さざるを得なくなりなった日本政府の要請受けた航空会社は、既に予約を受けていたにもかかわらず、搭乗人数を絞る必要性から、搭乗キャンセルの通知をしてきたのです。


そうした理由などにより、当初の予定よりも何日かずれて帰国することを強いられた人の中には、結果としてビザが切れてしまった人が出てきました。マレーシア政府はMCO期間中にビザが切れてしまった人は、ビザが切れてしまっていても、そのまま出国してよい、という発表をしてはいますが、実際の運用としては、ビザが切れてしまうという事態になってしまった事態に至ったことを説明しなければなりません。


KLIAで偶然再会した知人は、長期ビザを取らず、12年前から3か月の短期滞在を繰り返していた人ですが、彼もまさにそういう経緯でビザ切れになってしまった人の一人で、彼の話では、入管職員にビザ切れになった理由を説明する書類(黄色いカラーの定型ホウム)を提出するように言われ、それを提出することで出国は認められたそうです。


私の帰国スケジュールも、延びに伸びました。当初は3月28日にエアアジアでの帰国予定でしたが、エアアジアから3月28日の便は運休になり、3月30日の便に延びました。しかし変更された便も、結果としてキャンセルになってしまい、急遽の日本の航空会社に一番早く帰れる便として4月5日の便の予約を入れました。ところが、マレーシアを危険度が上がったと判断した日本政府はマレーシアからの帰国者全員にPCR検査を課すことにしたため、検査能力からみて、帰国者の人数を絞るように各航空会社に要請したのです。それを受けた航空会社は4月5日の便はPCR査が不要であるトランジット客を優先として、人数を絞ってきました。絞られた対象になってしまい、帰国便は4月12日に延びたことを考えれば、そういった事情でビザ切れになってしまう人が出てくるのは十分にありうることです。


もっと簡単に経緯を説明するはずでしたが、長くなってしまいました。


帰国してからの状況説明は外せないので、これだけ紹介しておきたいと思います。


成田に到着する直前に、機内で帰国後のスケジュールについて、3つの選択肢のうち、帰国後どのようにするか選んで回答せよというアンケート調査が行われました。
1. 着陸後トランジットで他国への便待ちをする
2. PCR検査を受けたあと指定された待機場所または自分が手配したホテル等で検査結果を待ち、その後14日間の隔離を受ける
3. 検査結果を自宅で待ち、さらに自宅で14日間待機する


この3つのカテゴリーに分類された乗客はこの順番に従って機内から出ることになりました。


検査結果を自宅で待つことを選択した筆者は機内から出る順番が最後になり、長時間、機内で順番待ちの状態となりました。やっと機内から出たと思ったらPCR検査が待っています。検体を採取する担当者は鼻に綿棒を差し込んで、5秒後差し込んでおくという検体採取作業を一人でやっていました。


検査後、自宅にどうやって帰るかで、迎えの人が来るのを待つか、レンタカーで使うかの選択になり、タクシーを含めた公共交通機関を選択する余地は全くありませんでした。


やむなくレンタカーを選択した筆者は、係員に誘導され第一ターミナルにあるレンタカー会社まで行き、レンタカーを手配する現場までしっかりと確認されました。


成田から国内便を使用しなければ自宅に帰れない人にとっては、14日間の隔離生活を前提にしなければならないということになります。

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