マレーシア政府の借金対策

マレーシアの財政赤字の結果としての政府の借金(所謂、国債)について、その対応策を練るため、実務者を中心とした委員会が設立されたという記事を紹介します。


日本とは異なり、マレーシアの借金は外国からの借り入れに依存している割合が多く、脅かすわけではありませんが、デフォルトの危険性があることを認識しておく必要があります。記事原文は下記URLを参照してください。
https://www.thestar.com.my/news/nation/2019/01/15/pmo-sets-up-committee-to-reduce-govt-debt/#dhiKh5QBKT4XGq1k.99


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首相府はバランスシート管理委員会を設置すると発表しました。


この委員会の主な目的は、政府のバランス シートを管理可能な水準まで、政府の借金を減らすことにあります。委員会は18ヶ月以内に答申を出すことが求められています。委員会は首相直轄になります。


2018年11月に、財務相は次のように語っています。


「政府の借金のうち、700億リンギが2019年内に償還期日が来る。そのうち約25%は、直近の借り換えリスクを反映して、年央迄に償還される。」


財務省の2019年財政見通しと政府の歳入見込み報告は次のような内容を発表しています。


「2019年予算で、連邦政府の総借り入れ必要額は、財政赤字と償還期限が到来する国債の借り換えのため増えると予測される。借り入れ必要額は増えるが、2019年のGDP対比の平均総借り入れ必要額はIMFが開発途上国に設定した15%の基準をはるかに下回っている。政府は金融市場活動を刺激するとともに、借入先の多様化と新しい基準を求めて、国際市場に打って出ることも考えている。」
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バランスシート経営という言葉は経営学ではかなり前から言われていた用語で、フローではなく、資産と負債の管理を重点において経営する手法ですが、マレーシアの資産とは一体何があるのかと考えると、多額の対外的な資産や特許権を持っているとは考えられず、国内でキャッシュフローを生み出すLPGガス田ぐらいのものだといってしまうと、失礼に当たるでしょうか。


借り換えリスクは確かに存在しており、その点がGDPの200%の政府債を発行している日本との大きな差です。

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