特定時期のビザ料金無料化提案

マレーシアへの3ヶ月以内の観光に対するビザが免除されている日本人には関係のない話ですが、マレーシアの議員によって、特定の期間に観光客を増やすため、ビザ料金を免除してはどうかという提案がなされていますので、紹介します。記事の原文は次のURLを参照してください。https://www.thesundaily.my/local/waive-visa-fees-for-certain-periods-to-attract-tourists-kepong-mp-CH1393488


Quote
“ケポン選出議員:観光客誘致のため特定期間のビザ料金を免除せよ”


議員の発言は次の通りです。


「タイは観光収入を増加させるのに効果がある、去年の11月から今年1月の期間、2,000バーツ(274リンギ)のビザ料金を無料にした。それを今年の10月まで延長した。


ロシアは嘆願に従い、電子ビザを無料にしようとしている。



タイは成功しているし、ロシアも対応している。マレーシアは、もっと観光客を呼び込むため、ビザ料金を完全撤廃することを検討すべきだ。 マレーシアは出身国によって、6.5リンギから50リンギの間のビザ料金を取っている。冬の期間には少なくとも実行すべきで、避寒先を求める潜在的な訪問客に対して、即座に働きかけるべきだ。観光客のビザ料金の免除は経済成長のためにもなる。


観光客は今年前半約に420億リンギをもたらした。例え、低い5%の増加でも20億リンギの収入増になる。この巨大な金額は、回りまわって国の経済を助け、トリクルダウン効果は、低所得階層に必ず届く。」


ロシア政府は最近、「観光収入増を高めるため、来月から、マレーシアを含む53カ国の電子ビザを無料にする。」と発表しています。
Unquote


ビザ料金が国の収入になっているのは確かですが、一方で観光客が落とす金は、国民所得計算上、輸出と同じ効果があって、GDPに貢献することも確かです。どちらが国民所得の計算上、効果が大きいかといえば、当然、後者です。


ビザ料金は国民所得の計算上は移転収支で、GNPへの貢献はその金額だけですが、観光客が落とす金は、乗数効果ですその広く広がって行きます。


問題は、ビザ料金を廃止すると、観光客収入はどの程度増加するのか、その乗数効果を含めたGNPへの貢献度はどのようになるのかが説明されておらず、説得力に欠けています。感覚的には分かったようなつもりになっていても、それを証明するしっかりとしたデータの裏づけがないのが、弱い点です。


あと、北半球の冬のシーズンは、黙っていても避寒のため観光客がやってきますが、観光客が少ない他のシーズンに焦点を絞ってビザ料金免除を実施したほうが、観光客全体の数次が増えるような気がしますが、そのようなデータもなしに、タイが実施しているからという理由だけで、まねをしようとする点が、弱いところではないでしょうか。

×

非ログインユーザーとして返信する