TM

TMについて2点書いておきたいと思います。


TMとは言うまでもなくテレコム マレーシアのことですが、携帯電話を除いてマレーシアで唯一の通信会社で、競争会社がいない独占企業です。競争のないところにはどこかに無駄が生じてもそれを是正する力が働かず、効率性が犠牲になりがちになるというのが経済学のセオリーですが、マレーシアではどうなんでしょうか。


まず第一点:TMとの出会いはマレーシアに赴任後、固定電話と、インターネット(当時は最先端だったストリームXというADSL)の開設でした。その手続きは会社の総務部が代行してやってくれました。そのときの契約の仕方がその後10年以上経ってからも尾を引いたと思われる事態になろうとは、そのときは想像もしませんでした。


手続きを総務部の担当者に任せたといっても、支払いは自分の名前でやっており、請求書のあて先も自分宛に来ていたので、契約名義人は自分自身になっていることは疑いもしませんでした。固定電話のほうは会社を辞めた時点で契約をキャンセルし、新たに自分で契約を締結して電話番号も変わっており、新規の固定電話のほうの契約は会社は全く関係はありませんでした。しかし、インターネットのほうは、会社を辞めて転居した後も、今までの契約を継続していました。


今般、4月にKLから引っ越すに当たり、TMとの従前の契約を解約し、自動引き落としも解除しました。その時点ではそれまで支払っていた分と解約時点との間で料金が発生していれば、既に入れていた保証金から差し引かれることで足りるはずだと勝手に思っていました。


今年8月8日にインターネット開設のため、新規にTMと契約を締結しようとしたところ、以前の契約がまだアクティブになっていると言われました。理由を問いただすと、「電話の契約は確かにあなた本人となっているが、インターネットのほうは法人名義(しかも全く聞いたことがない法人)になっており、あなたは契約解除ができない。電話はインターネットとセットになっていて、電話契約だけ切り離して契約を解除できない。したがって4月以降、現在まで電話とインターネットの両方の料金が発生している。」とのことでした。


「私としては4月に契約解除を申し出ており、解除の受付書も受領している。その時点からの料金は全く支払う理由はないので支払わない。契約名義人が異なるといっても請求書は私宛に来ていたし、自動引き落としで私の口座から支払いもしていた。」と抗弁しました。


万が一を考えて、自動引き落としをキャンセルしておいたのは正解でした。そうしていなければ、今までずっと引き落とされていたことでしょう。TMのこちらの窓口によると、「名義が異なるため、契約解除を受け付けた部署ではそのままずっと保留になっていた。」とのこと。


こちらの窓口にいきさつを説明し、名義が異なっていたのはそちらのミスなので、さかのぼって契約を解除するように要請しました。自分の手で契約を行わず、人任せにした報いだったかもしれません。その後、TMから、さかのぼって契約を解除し、発生した料金もキャンセルして、預かっていた保証金は返還する(ただし3ヵ月後)旨、通知が来ました。そのときの言い草が、「TMはいつも顧客満足を第一に考えます。だから問題となっていた契約をさかのぼって解除することにしました。」というような文がSMSで来ました。


もう一点書くことがありますが、長くなったのでこれは次回にします。

小切手行方不明事件

銀行振出チェック事件は実は車の盗難事件と平行して進行していました。


外国人が大きな金額を銀行口座に入金するためには(具体的には外国人が現金で口座に入金できるのは1万リンギまでです。)現在は小切手によらなければなりません。(以前はそのような規制はなかったのですが、マネーロンダリング規制や首相が絡む1MDBスキャンダル事件発生の影響でしょうか?)


そのような規制があることは承知していたので、今まで使っていた銀行とは異なる銀行で新規口座を開くに当たって、取引銀行で銀行振り出し小切手を作ってもらい、新規銀行に持ち込みました。既報の通り、最終的には新規口座は開設できなかったため、作った小切手は不要となってしまいました。そこでやむなく自分の預金口座に戻すため、小切手の裏に自分の口座番号を入金先として指定して、現銀行の他の支店(振出銀行とは異なる支店)の小切手入金ボックスに投入しました。振出銀行に持ち込まなかったのは「他行で定期預金をするため。」と断っていたので、それができずに、戻すことになって、ばつが悪かったことは否定できません。それは振出日の翌日8月9日のことです。


通常は交換所で現金化されるまでは使用可能額からは控除されますが、残高としては翌日には残高に反映され、交換所での交換が完了した段階(通常は3日後)で初めて現金としてカウントされることになります。


ボックスに小切手を投入して1日経ったときに、インターネット バンキングで口座残高を確認したところ、小切手金額が口座残高に反映しておらず、そのときは、現金化される3日後に反映するのかもしれないと、善意?に解釈し、3日後に残高を再確認したところやはり残高に変化はありませんでした。


そこで小切手を投入した銀行に出向き、小切手振り出し依頼書を示して「投入した小切手が指定した口座に入金になっていないので調査してください。」と申し出たところ、担当者は「投入された小切手は交換処理のため、すべてKLに送っているので、こちらでは分からない。KLに問い合わせてみる。」との回答。そのまま暫く待つと「小切手を投入したとき、受取証は出てこなかったのか?受取証がないと調査できないとKLの担当者が言っている。」との支店の担当者の言。


確かに小切手の投入ボックスによっては受付証のようなものが出てくるボックスもあるようですが、私が入れたのはそのような機能はなく、投入してそれで完了というボックスであることを説明すると、その点は納得してくれ、「小切手振り出し依頼書に示された小切手がKLに現在あるかどうか調査してみる。」ということで、調査待ちということになりました。


結局KLでは小切手は見つからないという回答が数日後ありました。そこで小切手をキャンセルするべく、振出銀行に向かい、キャンセルを申し出たところ、「キャンセルはできない。小切手についてはこちらでも調べてみる。」とのこと。


マレーシアの小切手はいわゆる線引き小切手なので、第三者が現金化することはできないので盗用のリスクはまずないとは思うものの、相当な期間が経過したあとでなければ、小切手自体が無効とはならないため、その間の金利運用益の機会損失となってしまいます。(まー、損害としてはそれだけだということはありますが。)


その日のうちに、「調べてみる。」と請け負ってくれた振出銀行の担当者から連絡があり、「小切手を提出した支店で小切手が見つかった。」とのこと。その日は営業時間も過ぎようとしていたので、翌日その支店に出向くと、「小切手受け入れボックスには受け入れ口が上と横の2ヶ所あり、横の受け入れ口に投入するべきではなく、上に入れるべきだった。あなたは横に入れたので、小切手が下に落ちず、処理できていなかった。」と担当者が言います。「それなら横の口は閉めて置けよ。」という言葉は飲み込んでおきました。小切手問題が解決したのは8月22日のことです。13日間も無駄にしてしまいました。


「今から入金処理しますか?」と担当者が聞くので、「この支店では今後一切取引しません。」とお断りしました。この支店の担当者の言い訳は、もっともなようにも聞こえますが、全く腑に落ちたわけではありませんでした。


やり取りの概略は概ね以上の通りですが、ここでは細かく書いていませんが、いろいろな銀行担当者の無責任な言葉がこの間に多々ありました。マレーシアの小切手の受け入れ制度には最終的には元本流用のリスクは殆どないものの、少し怖い面はあります。


口座開設に絡む与太話から、車の盗難事件、小切手紛失事件と面倒な事件に巻き込まれてしまいました。与太話に乗った自分の愚かさに反省です。


次回はTMについて書いてみたいと思っています。

車の盗難事件の結末

車の盗難事件のあった8月8日の翌日9日は車の盗難被害に対して対処すべく朝から行動を起こしました。


まず、保険会社に連絡し、盗難にあった旨報告し、車が回収されるまでレンタカーを借りたいが、レンタカー代は保険でカバーされるのか質問したところ、「事件を調査するため、調査会社に依頼し、調査会社のレポートを受けて保険金を出すかどうか判断する。その決定までに早くとも3ヶ月はかかる。また今の保険条件では、盗難にあった場合車両の価値のみが付保対象となっており、それ以外の損害は付保対象ではないため、レンタカーの料金は求償対象とはならない。それでも盗難損害をクレームしますか?」との回答。盗難を保険会社に申告し、求償手続きをとると、今までのノークレームに伴う、保険料の割引という優遇が受けられなくなりますが、損得を勘案すれば、それでも求償手続きを採ったほうが断然有利なので、「求償手続きをとる。」ことを宣言しました。


暫くして調査会社から「詳しい話を聞きたいので、来週月曜日はOKか?」との連絡あり、早いに越したことはないので、来週月曜日14日の約束時間まで決めました。マレーシアにしてはまずまず早い対応です。


あと、イポーのレンタカー会社を探して見積もりを問い合わせたところ、「現在空いている車はプルドゥアのアルザしかなく、1ヶ月契約で月2,300リンギ、3ヶ月契約で月2,000リンギ。」とのこと。最悪はこの出費を覚悟しなければならないこと、または新たに車を購入して、保険金が出ればそれを購入費に充当することを選択肢として考えました。車なしの生活は考えられないので、選択肢はレンタカーか車の購入しかありませんでした。


そうこうする内、午後1次過ぎになって、ポリスレポートを出してくれたサージェント ヤズリーから、「車が見つかったのですぐに来るように。」との連絡があり、びっくりするやら、うれしいやら、となりました。


すぐに保険会社に連絡し、車が見つかった旨を報告するとともに、アポイントを取っていた保険会社が依頼していた調査会社にも連絡をいれ、月曜日のアポイントをキャンセルしました。


どういう経緯で車が発見されたのか、詳しいことは分かりませんが、とにかくサージェント ヤズリーが勤務するカンポン タワスの警察にタクシーで向かいました。彼によると「車の発見場所は、駐車したはずの場所から2kmほど離れた場所だった。」とのことです。彼とともに現場に向かいましたが、彼も地図を見ながらようやくたどり着いたという感じでした。車を見て、変わった点といえば、車がきれいに洗車されていたこと、あまり目立ちはしませんが、多少スリ傷があったこと、駐車違反の切符が窓に張ってあったことぐらいでしょうか、車の内部は特に大きな変化は見られませんでした。


サージェント ヤズリーは「前のポリスレポートを取り下げるポリスレポートを作成するので、近くの警察で車が発見されたことを報告して、ポリスレポートを作成してもらい、そのコピーを送ってください。」と言って、近くの警察署まで送ってくれました。世の中には親切な警官がいるもので、警察官に対するイメージが変わりました。


そのポリスレポートの取り消し報告は保険会社での求償取り消しにも必要な書類で、そのレポートがあったおかげで、保険会社に対するノークレームの立場をそのまま維持することができることになりました。


車の盗難事件は以上で一件落着です。あと、達成できなかった新規口座開設にからむ、銀行振り出しチェックについての波乱万丈な事件について、次回触れたいと思います。

車の盗難とポリスレポート

8月8日は数字の験を担ぐ中華系の人々にとっては、縁起のいい8が続く“いい日”のはずが、とんでもないことが発生しました。銀行に行くために駐車していた車が行方不明になってしまったのです。


銀行の周りは駐車スペースがなく、少しはなれた場所に駐車したのですが、銀行で口座開設を最終的に断られて、車に戻ろうとしたところ、強烈な雨が降ってきて、とてもじゃないけれども歩くことができない状態になっていました。


やむなくどこかの店に入って、雨がやむのを待とうと思い、特に食べたくもない、蝦面をオーダーして時間をつぶし、雨が小降りになったところで外に出て、車を駐車した場所に向かったのですが、その場所に行ってみると車がありません。市内はよく似た町並みが続いているので、ひょっとして駐車した場所を勘違いしたかもしれないと思い直し、付近一帯を捜しましたが、やはりどこにもありません。


乗っていた車は4ヶ月間ほったらかしで、洗車もしていないので窓やボディーはすすで汚れていて真っ黒で、正面のガラスだけウインド ウォッシャーで流してかろうじて運転可能な程度に前が見えるという状態で運転してきたので、遠目からも自分の車は見分けが付くはずです。探す範囲を拡大して、徒歩でスマホの地図を見ながら、探し回りましたが見つかりません。


周囲はだんだん暗くなり、道路には道路に面したレストランがイスとテーブルを並べて、道路上で営業を始めました。何回も同じ道を通ったので、道路に面したテーブルについていたお客さんも私の行動を不審の目で見ているのを感じました。(これは思い過ごしかもしれませんが)


だんだん時間が経つにつれ、道路に駐車していた車も次々に家路に向かい始め、道路に駐車している車もまばらになってきました。この段階で「車が盗難にあった。」ことを確信し、盗難届けを出すため警察に向かいました。


もう、遅い時間でしたが、警察には届けを出す人が何人か順番待ちをしていました。自分の番になって、「車が盗難にあった。」ことを申し立てると、係官が「事件の概要を自分で打ってくれ。」というのでパソコンのキーボードをたたいてあらましを報告しようとしたところ、「行間は空けないで、段落なしで打つように。」との指示があり、指示通りに打って報告を終えたところ、係官が補足質問を出してきて、係官が自分でレポートを完成させました。


ところが、その係官にはポリスレポートをオーソライズする権限はないらしく、「カンポン タワスにいるサージェント ヤズリーに今から会いに行け。電話しておくから、今すぐタクシーで行ってくれ。現場写真も撮らなければならないから。」との指示。こちらはポリスレポートをお願いする立場なので、その指示通り、カンポン タワスの警察署にタクシーで向かいました。


指定場所に行くと、警察の敷地は2つに分かれており、向かって右側が訴えを取り調べる部署のようで、泊り込みの場所もあり24時間体制のようでした。サージェント ヤズリーに面会し、先ほどと同じように説明し、補足質問を受け、それに回答してレポートを最終的に検証されたあと、彼がレポートにサインしてその控えを渡してくれました。


その後「今から現場写真を撮りに行くから、同行するように。」との指示があり、運転手も含め、3人で現場に向かい、駐車した場所の写真を撮り、親切にも自宅まで車で送ってくれました。


自宅への車内で、「車の登録証と入っている保険会社との契約書のコピーを、明日送ってください。」とのことだったので、「スキャンしてメールかラインまたはwhat’s upで送ってもいいですか?」と聞いたところラインは使っていないがメールまたはwhat’s upならばOKとの事だったので、翌日、要求された書類をスキャンしたものをメールで送付しました。


以上ポリスレポート発行までを少し細かすぎる嫌いはありますが、説明させていただきました。

次回はこの件について更に後日談があり、紹介させていただく予定です。また銀行チェックの件もありますので、触れられたら触れる予定です。

次々に起こった出来事

イポーに住み始めたのは8月7日からです。KLの住まいを引き払ったのは4月初旬で、荷物と車を新居に運び込んでそのまま約4ヶ月間、新居を空き家にしていました。


新居の電気代は冷蔵庫だけ点けっぱなしでしたが、その電気代は月、20リンギ以下なので、支払う必要はなく、電話、インターネットのKLの契約打ち切りの手続きをしたし、入っていたゴルフ場も売却してしまったし、残る毎月の支払いは新居の水道代と家賃だけでした。家賃についてはインターネットバンキングで支払い可能なので、全く問題なしでしたが、水道代は使わなくても基本料分は毎月発生するので管理事務所で支払うほかなく、その間は滞納せざるを得ませんでした。オーナーにはその旨を予め断っておいたので、住むにあたって問題視はされませんでした。


住み始めた翌日の8月8日から、諸手続きのため、イポー市内を動き回ることになるのですが、今から思い返せば、波乱万丈、いろいろな場面に遭遇することになります。


まず一番に必要なネット環境を確保するため、携帯電話をのぞいてはイポーでは唯一のネットサービス提供会社であるTMを訪問しました。TMの駐車場だと思われた駐車スペースに車を駐車し、諸手続きを終え、車に戻ったところ、駐車違反の紙が車の正面の窓に張られていました。違反したつもりは全くなかったので、ショックでした。


罰金はPOSで払えると思い込んでいたので、POSに行くと、「市の罰金なので、UTC内の市の出納窓口に行け。」とのこと。やむなくUTCまで行って支払いを済ませました。


UTCの市の窓口の対応時間を見ると、働いている人の時間を考慮しているためか、夜も遅い時間まで対応可能となっていて、支払わない言い訳はできないようになっています。


次に行ったのが銀行です。現在使っている銀行は金利が低いので、他行で定期預金をするため、金利が高いといわれていた他の銀行に行って、口座を開設したい旨話をしたところ、「MM2Hのビザでは複数の口座は開設できない。でもプレミアム扱いにして何とか自分の権限で口座を開いてあげる。」とのお言葉。


それを真に受けた自分もおろかですが、早速取引銀行に行って、銀行降り出しチェックを発行してもらい、口座開設を請け負った銀行に戻って定期預金の手続きをしようとしたところ、請け負った担当者は居らず、新たに対応した人は「やはりだめだ。」とのこと。チェック発行が無駄となってしまいました。


このチェックについては、後日談があり、またその後、いろいろと波乱万丈の事態が起こるのですが、長くなるのでそれは次会に、お話しすることにします。