税務申告の勧め

マレーシアの所得税に付いての記事を紹介します。記事原文は下記ＵＲＬを参照してください。https://www.thestar.com.my/news/nation/2019/02/03/irb-only-individuals-and-businesses-earning-above-rm4k-a-month/#Xhr8L9tfUgvWtO2T.99


Quote
月収が4,000リンギ以上の人や、会社だけが申告義務がある


内国歳入庁（ＩＲＢ）は次のように発表しています。


「月収が4,000リンギ以下の個人、会社は特別自己申告プログラム（ＳＶＤＰ）のもとで、申告しなければならない。役所からＥメールや手紙を受け取った全ての人が、納税者として登録しなければならないというわけではない。


許容されている経費や引当金を差し引いた後の月収が4,000リンギの、株式会社以外の形態で事業をしている会社は、納税者登録しなければならず、その収入をＩＲＢに申告しなければならない。それ以下の収入の場合はＩＲＢからのＥメールや手紙は、ＳＶＤＰに付いての一般的な通知なので無視してかまわない。


ＯＥＣＤによる、自動情報交換（ＡＥＯＩ）手段のもとで、マレーシアは2018年9月から、特に国外の銀行勘定の金融情報の受け取りを開始しました。従ってもし納税者がマレーシア源泉の収入で課税対象に関わる国外銀行口座を持っていて、ＩＲＢに無申告ならば、ＩＲＢに対して申告の要があります。


ＩＲＢ職員の中には納税者を脅し、定められた手続きに従わないという、その立場にあるまじき行為に付いての苦情があるのは承知しており、対処もしています。ＩＲＢは委任された業務を果たすことを約束します。


ＳＶＤＰは、納税者に自発的に6月30日までに無申告の収入を申告することを促すものです。罰金率の大幅な引き下げを申告期間内に与えています。これは2019年の予算審議中に発表された税金の恩赦プログラムです。2018年11月3日から2019年6月30日までの期間限定の、税務申告の未提出または無申告に対する罰金の減額を提供するものです。


2018年11月3日から2019年3月31までに無申告が分かると、罰金は納税額の10％になります。2019年4月1日から6月30日の期間に分かると、罰金は納税額の15％になります。それ以降の罰金額は、税法の定めに従い80％から最大300％になります。」
Unquote


マレーシアは属人主義ではなく、属地主義なので、マレーシア以外で稼いだ取得はマレーシアの課税対象外ですが、今後は国外の銀行口座も属人的に調査され、その源泉が調査されることになっています。私は関係ありませんが、富豪にとってはやりにくい世の中になっています。

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  • dabo_gc

    いつもブログを拝見しております。

    ＞マレーシアは属人主義ではなく、属地主義なので、マレーシア以外で稼いだ取得はマレーシアの課税対象外です

    という記述がありますが、属人主義、属地主義に関して誤解があるようです。ちなみに日本も属地主義ですが、世界所得に課税されますよね。

    • アウトサイダー id:zuihitu-at-malaysia

      ＞dabo_gcさん
      本格的なコメントを頂き、ありがとうございます。

      私が理解している限りでの、税法上の属地主義と属人主義について、説明させてください。

      税法上の属地主義というのは、所得の発生地（所得の源泉地）が国外か国内かが判断基準であり、国外源泉所得には課税されないということです。

      これに対して税法上の属人主義では、国籍の有無が判断基準であり、どこに居ようとも全世界所得が課税対象になるということです。

      税法上の属地主義では、稼いだ所得の源泉地はどこなのかが問題になるので、単に国外に居住しているからと言って、国内で稼いだ所得に対する課税を免れるものではありません。

      私の体験談ですが、日本の会社から国外の支店に転出しましたが、その所得の源泉地は国外なので、日本の税金は課税されませんでした。

      更に言うと、日本の場合は、1月1日現在の住所地（実質的に居住の実態がある場所）で居住地の判断がされ、日本に住所がないと判断されれば、1月1日以降の所得は国内所得にはカウントされません。地方税の場合は前年の所得をベースに翌年の課税対象額が決定されるので、日本に帰国した年は前年の課税所得がゼロなので、税金分だけ有利になります。

      会社は、公平性の観点から、他の人（国内に居た人）との所得バランスを補正するため、当人に特別控除を実施するというシステムをとっています。全部の会社がそうしているとは言いきれませんが。

      日本で、全世界所得が課税対象であるというのは失礼ながら間違いであると思います。これでは属地主義ではなく、属人主義になってしまいます。

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    • dabo_gc

      ＞アウトサイダーさん
      アウトサイダーさん、やっぱり誤解なさってると思います。

      ＞税法上の属地主義というのは、所得の発生地（所得の源泉地）が国外か国内かが判断基準であり、国外源泉所得には課税されないということです。

      これは違っていて、「所得の発生地」ではなくて「どこに住んでいるか」が判断基準です。日本に住んでいれば日本で納税義務が発生するという意味。そして日本の税法上の居住者は「世界所得」に課税されます。

      ＞私の体験談ですが、日本の会社から国外の支店に転出しましたが、その所得の源泉地は国外なので、日本の税金は課税されませんでした。

      まさにこれはアウトサイダーさんは国外の居住者となったので、「日本の非居住者＝納税義務はない」ということで、転出したその国に納税しなくてはならない。ただしアメリカやフィリピンの様に「属人主義」の国では「どこに住んでいるかは関係ない」ので、常に本国で納税義務がある。居住地でも納税義務がある。だから租税条約が無いところに住むとややこしいことになるんです。

      アウトサイダーさんは属人主義、属地主義に関して「所得の発生した場所」と考えてらっしゃるようですが、ここが誤解の根本です。「本人がどこに住んでいるか」が問題なのです。属地主義は「住んでいる国で納税する」という意味で、属人主義は「住む場所は関係なく、何人かで納税場所が決まる」ということ。

      「日本に住む日本の居住者＝日本の納税義務者」は日本国内だけではなく、世界中で発生する所得を申告し納税する義務があります。だからマレーシアに居住するMM2H保持者は日本に納税する義務はない。でもMM2Hを持ちながら日本に拠点を置き、行ったり来たりで住民票も持っているような方々は「日本の非居住者にはなりません」から日本に納税義務があり、「マレーシアでの収入を日本で申告しないとならない」わけです。

      ネットでちょっと検索するだけでおわかりになるはずです。

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    • アウトサイダー id:zuihitu-at-malaysia

      ＞dabo_gcさん
      ご説明ありがとうございます。

      属地主義に付いて改めて、考察してみました。
      税法上の属地主義と属人主義に付いて、私が考えていたのは、所得の発生地（所得の源泉地）がどこかによって、納税地が決し、属人主義は本人の居住地がどこであれ、また所得の発生地（所得の源泉地）がどこであれ、本人の国籍によって納税国が決すると考えていました。

      dabo_gcさんによれば、属地主義では、本人の居住地で、全世界所得が課税対象になり、属人主義では本人の国籍によって、納税地が決すると考えておられました。

      属人主義についてはどちらも結果としては同じですが、属地主義に付いては大きく異なります。そこで属地主義に付いて考えて見ます。

      私の考え方によると、例えば日本人で、住民票を抜いて日本の居住者ではなくなった本人は海外で稼いだ所得は海外で課税され、日本で得た所得（例えば株式の配当金や利息など）は日本で課税されるということになります。

      dabo_gcさんの考え方によれば、同じ状況の本人の全ての所得（海外源泉の所得と日本源泉の所得の合計額）が居住国である海外の国で課税されることになります。

      二つの考え方の違いが、結果としてでてくるのは、まず、日本の住民票を残したまま、海外で稼いだ所得に対する課税が発生した場合です。プロジェクト事務所などの恒久的施設（ＰＥ）と看做される場所で勤務し、そこで所得を得た場合、海外の国の課税対象となります。dabo_gcさんの説では、租税条約締結国であれば、183日ルールに従い、二重課税防止の定めにより、税金分は本人の日本の税金から外税控除されるということになります。その代わり、海外で得た所得を日本で申告して納税することになります。

      私の説によれば、住民票を日本に残した場合でも、海外源泉の所得は日本で申告の必要はなく、海外での課税がファイナルとなります。

      住民票を抜いていた場合には、日本で発生した所得は、dabo_gcさん説では海外国が属地主義を取っていれば、海外国の課税対象になります。私の説では、所得の源泉地が日本であれば、海外の居住国での申告の必要はない、ということになります。

      属地主義、属人主義と区別していますが、現実には国によって、様々な運用がされており、はっきりと区別されてはいないというのが実態のようです。

      税法上の特に属地主義に付いて考察してみましたが、もう少し深く調べてみたいと思っています。

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  • dabo_gc

    アウトサイダーさん、早速のレスをありがとうございます。

    私が書いたことを「私の自説」と取られると本当に困るんですが、どうしましょう。

    ＞dabo_gcさんの考え方によれば、同じ状況の本人の全ての所得（海外源泉の所得と日本源泉の所得の合計額）が居住国である海外の国で課税されることになります。

    その通り。そのように「世界所得に課税する」のが一般的です。マレーシアはたまたま海外源泉所得には課税しないだけ。だからマレーシアは税金天国と呼ばれるわけです。定期の利息等も課税されませんし。

    ＞私の説によれば、住民票を日本に残した場合でも、海外源泉の所得は日本で申告の必要はなく、海外での課税がファイナルとなります。

    これは絶対に有り得ません。世界所得が課税対象です。そうじゃなければ、海外にお金を送金してそこで定期にしておけば、日本では課税されないことになっちゃうじゃないですか。そんなことが起きたら大変なことになります。

    また住民票を日本に残そうが残すまいが「非居住者＝納税義務はない」とはならないという点も忘れてはならないんですね。日本の税法上では「居所がどこにあるか」という言い方しかしておらず、はっきりした条件が明記されていません。一般的には「客観的に見て居所がどこにあるか」ということが言われていて、住民票を抜いただけで非居住者になることはありえないんですね。では住民票があったら絶対に居住者と判断されるのかどうかはわかりませんが、住民票を持つこと自体、「自分は日本の居住者（納税義務者）である」と自己申告しているのと同じだと私は解釈しています。どちらにしても日本に住む日本の居住者が「海外の所得には日本で申告納税義務がない」ということは有り得ません。もしそれが事実なら、大金持ち小金持ち、お金を持っている人すべてが海外にお金を出してそこで運用を考えるようになっちゃいます。

    では海外の所得は当然、その地で課税されますが、それではその海外と日本と両方に納税義務があることになります。それはその通りで、だからこそ二重課税が起きないように「租税条約」が結ばれているわけです。でもそれは「一方で払えば他方では納税の必要がないという意味ではなく」、「税額控除が受けられる」のが普通。いわゆる差額だけ収めてくれればOKということです。でも海外での税額が多い場合には、返してくれるのかというと返してはくれない。

    ＞住民票を抜いていた場合には、日本で発生した所得は、dabo_gcさん説では海外国が属地主義を取っていれば、海外国の課税対象になります

    違います。住民票の話はちょっと横に置いておきまして、日本の非居住者でA国の居住者であった場合、A国で納税義務があるのは当たり前で（日本源泉の所得でもその国で課税される）、それは属地主義、属人主義とは関係がないのです。また一般的にはどの国も「居住者（＝納税義務者）の世界所得に課税する」のが普通で、マレーシアの様に「海外の所得には課税しない」というのは非常に稀で、太っ腹と言いますか（笑）、それで世界から金持ちを引き寄せようというマレーシアの方針でしかないと思います。

    アウトサイダーさんの誤解の大本は、属地主義、属人主義を「所得の発生場所」と勘違いしているところです。属地主義、属人主義は「誰が課税対象になるか」を決定する考え方です。

    基本は誰であろうと「その国で発生した所得はその国に課税される」。そして「居住者は世界所得に課税される」のも一般的です。

    これはその外国が属地主義だろうが属人主義だろうが関係なく、その国を源泉とする所得には課税されるのが基本（外国からの投資を促進しようとしている国では無税の場合もある）。そして本人が「日本の居住者」だった場合には「日本にも納税義務がある」わけで、本人が「その外国の居住者（＝日本の非居住者）」だった場合は、日本での納税は必要ない。

    属人主義、属地主義は「所得の発生場所」ではないのです。

    この公認会計士・税理士のサイトの説明が参考になるんじゃないでしょうか。
    https://mondepal.com/info/column/331/

    • アウトサイダー id:zuihitu-at-malaysia

      ＞dabo_gcさん
      なるほど。属地主義と属人主義の原則とは異なり、日本の場合、特殊な属地主義を取っているということが理解できました。
      日本の税制を属地主義と定義するには無理があると思われます。マレーシアの税制が本来の属地主義ではないかと思われます。

      日本の税制では、居住者でなくても、日本で発生した所得に対して、源泉税として徴収されます。日本ではその源泉税がファイナルで、源泉した税金に対して納税証明が発行され、自国（居住国）の税務申告で税額控除を受けることになります。これは居住者でなくても納税義務がある一例です。

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    • dabo_gc

      ＞アウトサイダーさん

      >日本の場合、特殊な属地主義を取っているということが理解できました。

      日本だけではなくて多くの国がこれと同じです。そして「世界所得に課税する」のも一般的。マレーシアのような特例がある国のほうが珍しいです。

      どこの国でも「居住者だろうが非居住者だろうが、その国で生じた所得にはその国で課税される」のも普通。でもこれもまた例外があるのは前に書いたとおりで、「海外から投資を呼ぶこむ為に、非居住者のある種の所得（金利など）に関しては無税」ということがありますが、基本的にはその国の居住者だろうと非居住者だろうと課税されるのは当たり前で、それはマレーシアも同じですね。でも金利等は全ての人が非課税というこれまた変わった特例がありますが。

      アウトサイダーさんは「所得の源泉地」と属地主義を一緒に考えているから、誤解が生じるのです。所得ではなくて、「どこに住んでいるか」を重視するのが属地主義。「場所に関係なく何人か」を重視するのが属人主義。どちらもこれをご理解いただかないと全体像は見えてこないはず。

      マレーシアは属地主義ですが、海外の所得、（国内でも）金利などの所得には課税しないという、非常に珍しい税制を持つ国。贈与税、相続税もない。こういう国ってタックスヘイブンと呼ばれる以外ではまずありえないんですね。

      これは「特例」でしかなく、０％の課税であると考えると他の国々と同じですんなり理解できるはず。

      ＞日本の税制では、居住者でなくても、日本で発生した所得に対して、源泉税として徴収されます。

      これも源泉される所得もあるということで、全てが全て源泉されるわけじゃありません。というか一部の所得は源泉されるという状態です。

      一度、税理士・公認会計士ととことんお話されるのが良いと思います。

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  • dabo_gc

    「国民」を主語にして考えるとわかりやすいかもしれません。

    ◎　国民は国に対して納税義務がある

    これはどの国も同じですね。そして

    ○　国民が母国に居住している場合のみ、母国に納税義務があるのが「属地主義」。

    ○　国民がどこに住んでいても、母国に納税義務があるのが「属人主義」。

    ですから、属地主義の場合は母国に住んでいなければ海外での所得には課税されない。属人主義はその場合でも課税される。

    これだけのことなんです。

    属人主義はその国民、あるいは永住権保持者に対して「どこに住んでいても課税する」ということで、外国人は全く関係ないわけです。

    その他の基本としては

    ○　所得が生じた場合、居住者でも非居住者でもその国に納税義務がある。

    ○　居住者のばあい、「世界所得」に課税する。

    アメリカ、フィリピンは属人主義ですが、私はその他の国で属人主義を取っている国を知りません。また属人主義はその国の国民、あるいは永住権保持者に対する縛りであって、外国人は全く関係がありません。

    • アウトサイダー id:zuihitu-at-malaysia

      ＞dabo_gcさん
      ご説明、重ねて御礼申し上げます。

      属地主義とは所得の源泉地で課税されるのではなく、どこに住居の本拠があるのかによって課税国が決定されることであるということ理解できました。ご指摘ありがとうございました。

      考えてみると、マレーシアに来てから、日本で発生している所得（例えば金利、配当収入、株式売却益等）はマレーシアで申告の必要があるのかどうかをマレーシアに会社の経理部長に聞いたところ、「マレーシア国外を源泉とする所得に付いては一切申告の必要がない。」ということだったので、それが属地主義だと思い込んでいました。

      マレーシアの所得税制から類推して、日本に帰ったときに、国外所得に付いては、日本では課税されないと思い込んでいました。日本に本帰国したときには、マレーシアで得た、金利収入、資産売却益等を申告する必要があるという事ですね。

      納税は国民の義務とはいえ、日本での節税を計る為、1月1日以降に入国するようにし、なるべく税金を払わない方策はとるつもりですが。日本の税務当局が5千万円を超える国外資産の申告を義務付けているのも、国外所得を把握するための一助とするためだと、なんとなく分かりました。

      資産がありながら金利収入や売却益が申告されないと、どのような運用をしたのかを追及されることになりそうです。思い当たる人はそれぞれの立証書類を整備しておく必要がありそうです。

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