あの差し押さえられた宝石

野次馬根性丸出しですが、ナジブ前首相婦人のロスマーが自宅に踏み込まれ、警察によって宝石類を差し押さえられた件で、有名宝石商が、「宝石類は、首相夫人という立場を信用して、買うかどうかの判断をするために、ロスマーに預けたものなので、買うならば代金を支払って欲しいし、買わないならば返却して欲しい。」という訴えを起こしていますが、この件に関する記事の概略を紹介します。記事原文は下記URLを参照してください。
https://www.thesundaily.my/local/rosmah-given-seven-days-to-check-and-confirm-44-pieces-of-jewellery-XC523011


Quote
“ロスマーは7日以内に、44個の宝石のチェックと確認を行うことを命じられた”


高裁は、ロスマーに対して、警察によって差し押さえられたと言っている、時価14.79百万米ドル(約60百万リンギ)の44個の宝石をチェックし確認するように命じました。


原告であるレバノンのグローバル ロイヤルティ 貿易会社の弁護士は


「審議の過程で、このような命令が出された。ロスマーは宝石のありかに付いて、証明しなければならないが、原告にはそのような命令は出されていない。


法廷は、宝石を警察が保管しているかどうかに関係なく、進められるという見通しを持っていて、裁判を進めることに同意している。ロスマーは自分の注文に従い、宝石を預かっていることを確認し、預り証に署名しているからです。ロスマーは、警察が差し押さえているので、代金を払うつもりはないと言っています。法律では宝石の存在を証明することは、警察の仕事ではありません。」


2018年6月26日にグローバル ロイヤルティ社は原告として、ロスマーを被告として裁判を起こし、時価14.79百万米ドル(60百万リンギ)の44個の宝石を購入して支払うか、選ぶように求めました。


グローバル ロイヤルティ社は「ロスマーは長年の得意先であり、ロスマーの求めに応じて宝石を預けていました。ロスマーは選んだ宝石を自分や第三者が評価し、購入を決めていました。」と語っています。


同社は、王族や世界中の著名人に宝石を売っていますが、中には返されたものや、場合によっては、何個かはロスマーに貸したり、原告に返還する場合もあったようです。
同社の主張は次の通りです。


「2018年2月10日に、同社は、それぞれ124,000米ドルから925,000の時価のダイヤモンドネックレス、イヤリング、腕輪、ブレスレット、ティアラなど44個の宝石を、エージェント経由で、手渡しで被告に運びました。受け渡しの際に、ロスマーは宝石に関する条件、状態を受け入れ書類に署名しています。2018年5月22日付けの書類で、ロスマーは宝石の受領を確認していますが、宝石はロスマーの手元にはなく、差し押さえられて、マレーシア当局が保管しています。」


原告はさらに差し押さえられた宝石のリスト、返却するか購入するかの決定を要求しています。


ロスマーは2018年7月23日の弁明で、44個全てを購入しない旨明らかにし、マレーシアの首相夫人という立場をベースにして、会社が喜んで自主的に、購入の義務無しで、見るために44個の宝石が送られてきたと主張しています。
Unquote


差し押さえから逃げるためのフェークストーリーのような印象を持ちましたが、真実は現段階では分かりません。


動産の即時取得という言葉がまず頭に浮かびます。資産の第三者に対する対抗要件は、不動産は登記、動産は占有であることは、民法を学んだ人には基本の基本です。動産で他人の所有物を預かる場合には、最低限、明示的に第三者の所有物であることを示す必要があります。


このストーリー事態が虚構であった場合に、原告が万一勝訴すると、原告に宝石の所有権が認定され、ただで所有権が転がり込んでくることになります。そのとき会社は、分け前をロスマーと分配するということになるのでしょうか。

×

非ログインユーザーとして返信する