マレーシアの所得税法は発生地主義

マレーシアの所得税は所得の発生地主義を取っているという記事を紹介します。


記事の原文は下記URLを参照してください。https://www.thesundaily.my/local/income-from-singapore-is-not-taxable-irb-AD665992


マレーシアの居住者が橋を渡ってシンガポールで勤務するというケースは多いのですが、(その理由は交通費を考えても、マレーシアに住んでいるほうがコストがかからないことと、給与を比較すると、シンガポールの方が高く、マレーシアの賃金は安いため、シンガポール勤務の方を選択しがちであるためです)、この場合所得の発生地はシンガポールなので、マレーシアでは所得税の対象にはならないのです。


稼いだ所得をシンガポールからマレーシアに送金しても、所得の発生地はシンガポールなのでマレーシアでは課税されません。


この原則をあてはめると、日本でどのような所得があったとしても、マレーシアの居住者であれば、マレーシアでは課税されないことになります。


居住者かどうかの判断は183日ルールが適用され、183日以上マレーシアに居住しているかどうかで判断されます。


日本の制度では1月1日時点で住民登録があると、日馬租税条約で定める183日以上外国に住んでいても税務申告書が送られてきて、申告の義務がでてきます。


183日ルールというのは租税条約で、どちらの国に徴税権があるかを取り決めたルールで、末端の税務署職員は租税条約は実際上、国と国との取り決めの問題なので、日常的な税務とはあまり関係しないためか、そのような規定があることさえ知らない人もいるようです。形式的に1月1日現在の住民登録の有無だけで税務申告書が送られてきます。


Quote


“内国歳入庁(IRB):シンガポールからの所得は課税対象外”


マレーシア内国歳入庁(IRB)はシンガポールで稼いだ給与は、マレーシアでは課税対象外である、と声明で語っています。


「課税対象外である理由は、当該所得はマレーシアで発生したものではないからだ。183日以上マレーシアに居住している個人は、所得税法1967(ITA1967)のもとで、マレーシアでの課税対象であると看做される。しかしながら、その個人がマレーシア源泉の所得を得ておらず、シンガポール源泉の所得だけを得ているならば、その個人はマレーシアでは課税されない。」


IRB長官は、シンガポール源泉の所得と、納税者ステータスに関する混乱の原因となっている、中国のレポートを説明したものです。


同長官は語っています。「マレーシアにおける個人の納税者ステータスは、その所得が自動的にマレーシアの税法のもとにある結果とはならない。しかも、外国からマレーシアに送金されたどんな所得でも、所得税法1967の6、パラグラフ28のもとで、課税が免除される。」


詳しい説明は近くのIRB事務所か、国内では1-800-88-5436、海外からは603-7713-6666に問い合わせてくださいとのことです。


Unquote


以上の説明から明確なのは、マレーシアの税法は発生地主義であり、キャッシュフローは課税とは直接的な関係はないことがはっきりと分かります。


日本でどのような所得を得ていようと、マレーシアで徴税されることはないということになります。しかし、日本の場合は、殆どの所得は源泉徴収されてしまうので、源泉徴収を止めるための、二重課税防止条約に基づく手続きが必要になってきます。

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