MASの買主は外国人でもOK

ナショナル フラッグといわれてきたマレーシア航空ですが、赤字の連続でその企業価値はどんどん低下しています。マレーシア政府はその売却を目指していますが、買い手が現れないようです。このままでは、株主である政府の資産の劣化に歯止めが利かなくなる恐れもあり、マハティールによると、買主が外国人であってもかまわないが、それでもいい値段をつける人が出てきていない、というのが実情のようです。日本航空からの購入打診もあったようですが、価格が問題のようです。


ここでマハティールのマレーシア航空に対する見解を要約して紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。https://www.thesundaily.my/local/we-are-not-against-selling-mas-to-foreigners-mahathir-CA1376895


Quote
“マハティール;マレーシア航空(MAS)を外国人に売却することに反対はしない”


政府はMASを黒字転換させるため、懸命に努力したが、失敗し、購入しようといういい提案があれば、売却を考えるとマハティールは6月に言っていました。同氏はは9月17日のラジオ番組の中で、次のように語っています。
「悩みの種のMASの売却価格が適正ならば、売却先は外国人でもかまわない。プロトンは中国のギーリー(ギーリーが49%を保有)との合弁会社になったが、いい形になって居り、同じような形にすることに異存はない。
ある外国会社(複数)がMASの大きな部分を買収するというアイデアはあり、反対はしない。非マレーシア人の大きな会社が、ナショナル キャリアーの大部分の株を所有することに感情的に反対する人もいて、マレーシア人が完全に所有すべきだと、主張している。
しかしながら、MASを引き受けるにたる力を持った、マレーシアの投資家はいない。


ナショナル キャリアーを救うため、解決策を求めているが、それは簡単ではない。


前政権は60億リンギを注入し、6,000人を解雇し加えて便数を減らした。しかし、損失は依然として大きい。


MASの事業に影響を与えている一つの要素は、格安航空会社だ。MASが創業された時、エアアジアのような航空会社は存在していなかった。


一方で、政府財源を増やすため、政府は将来、更に資産を売却したいと考えている。その中には海外資産も含まれていて、既に売却交渉に入っている。当面必要ない不動産を所有して居り、売ればいい値段になる。例えば、中でも香港、シンガポールに不動産がある。」
Unquote



赤字を垂れ流す会社を購入しようとする、まともな会社は存在しないと思いますが、いまだに売却できないということは、通常の計算では買えないという事なのでしょう。感情論では売りたくないマレーシア政府と、通常の感覚では買えない、外国会社の存在が、売却交渉の阻害要因のようです。


結局はマレーシア政府にとって、売却価格を引き下げてでも、早く売却するほうが、赤字を分散させて、企業価値の下落を少しでも減らすことになるので、得策だとは思いますが。

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