モンゴル人女性殺人事件

週刊誌的話題ですが、2006年に発生した、モンゴル人女性アルタンツヤ殺人事件の再調査を求める動きが出てきました。


この事件はナジブ前首相の従弟であるバギンダ ラザックが仲介人として、マレーシア海軍の70億リンギの潜水艦の発注に絡んで発生したとされ、多額のキックバックの分け前をモンゴル人女性が要求したため、抹殺されたという見方が当時からありながら、2名の警官が実行犯とされ、最終的に2015年に死刑判決が確定していました。記事の詳細は次のURLを参照してください。
https://www.thestar.com.my/news/nation/2019/12/17/a-chance-for-m039sia-to-clear-its-name-says-altantuya039s-father-on-azilah039s-revelation#3tUYwse4eBckXGQ4.99


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“死刑囚の新事実を求めたアルタンツヤの父親:マレーシアにとって汚名返上のチャンス”


アルタンツヤの父親は死刑判決を受けたアジザが法定宣言(SD)で、「当時、副首相であり、防衛相であったナジブが、モンゴル人女性はロシアのスパイで危険なので殺せと私に命令した。」という宣誓書を提出したのに伴い、娘の殺人事件の緊急調査を促しました。父親は語っています。「最新の新事実はマレーシアの名誉挽回のチャンスになる。」


2001年から元警官で、責任者でもあったアジザは17ページにわたるSDを弁護士経由で提出しました。弁護士によると、アジザは現在入院中で、数日内に詳しい説明書を提出するとのことです。


これに対してナジブは全くの作り話だとしています。「アルタンツヤがロシアのスパイであり、スパイだから彼女を殺せと私が命令したといった新しい詳細がなぜ突然、今出てくるのか?彼の担当弁護士でさえ、SDには驚いている。私を抑え込み責めるただの新しい共謀にすぎない。」とナジブはフェースブックに投稿しています。
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興味本位の話題ですが、私がマレーシアに来た当時の2007年にも可なり話題になっていたものでした。「誰がアルタンツヤを殺したのか?」という特集も新聞で連載されてもいました。


死体を爆破するのに使用したC4というプラスティック爆弾は軍関係者の許可がなければ持ち出せない危険物であり、当時ナジブが防衛相を兼務していたので、関与を疑われる根拠となっていました。


さらに、単なる警官がモンゴル人女性を殺害する動機もないことから、判決自体が信頼性を欠き、下級審で有罪、控訴審で無罪、連邦裁判所で有罪の遍歴をたどっています。政権が変わったことにより、裁判の結果も変わるかもしれないという、興味深い展開となっています。

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