嗅覚不全は認知症の前兆

米国のシカゴ大学の研究チームは「5つのうちの少なくとも4つの臭いが識別できない人は認知症になる危険性が高い。」ことを発見しました。


研究チームは57歳から85歳の2,906人のシニアを対象にして日常の様々なにおいにが分かるかどうかにつき、長期に渡り追跡調査を実施しました。調査はフエルトペンの先にインクの代わりに特定の匂いをつけたものを使って実施されました。


5種類の匂いとは識別がやさしい順に、ペパーミント、魚、オレンジ、バラ、皮革です。


その結果実験に参加した78%は正常な嗅覚を持っていました。29.4%は5つのうち、4つを識別し、48.7%は5つ全部を識別しました。


一方で約14%の人は5つのうち3つしか識別できず、5%の人はは2つしか識別できませんでした。2%の人は1つ、1%の人は全く識別できませんでした。


このテストから5年後に、全く匂いが識別できなかった人は認知症と診断されました。更に加えて、1つか2つだけ匂いを識別できた人の約80%の人は、認知症の傾向が出ていました。嗅覚が失われる程度が高いほど認知症の割合が高くなることを研究チームは発見したのです。


「これらの結果は嗅覚が脳の機能と健康に大きく係わっていることを示しています。嗅覚の喪失は何か悪いことが起こっていて、重大なダメージが発生していることの強いシグナルです。この簡単な嗅覚のテストは既にリスクが高い人を識別するための簡単で安価な方法なのです。」と研究チームのリーダーは語っています。


この研究は「嗅覚機能不全は5年以内に死亡するリスクが高める。」という2014年に発表された研究に続くもので、この研究で「嗅覚の喪失は心臓不全、ガン、肺疾患の診断よりも死の予兆としてより役立つ。」ことを発見しています。


嗅覚傷害はパーキンソン病やアルツハイマー病の予兆だということも発見されています。「嗅覚が失われることは日常生活や健康的生活に重大なマイナスの影響をもたらします。匂いは栄養や精神的健康に影響します。匂いを感じないと、食物が腐っているかどうかを知ったり、火事の時に煙を感知したり、仕事をした後にシャワーを浴びるかどうかを決定することもできません。匂いを感じないと、生活での喜びを得られないので、うつ病と密接に結びついています。人間のすべての感覚の中で、嗅覚はそれが失われるまで、最も蔑ろにされ、評価も高くありません。」と研究チームのリーダーは述べています。


嗅覚を確かにあまり重視していないのは、そういわれればそうだと思いますが、匂いを感じることは脳によって行われるので、嗅覚不全は脳の機能の一部の不全だと捉えれば、認知症に、そしてやがては死に結びつくという話は納得ができます。

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