日本(一部)もマレーシア入国規制の対象に

武漢肺炎の蔓延に伴い、各国で蔓延地域からの流入を防止するため入国規制が実施され、その動きがどんどん強くなっています。


日本でもようやく、遅きに失したとはいえ、中国人や南朝鮮人の実質的入国規制が行われるようになりましたが、マレーシアでも3月5日から即日実施で、日本(北海道)を含む一部地域からの入国規制を発動しましたので、ご紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。https://themalaysianreserve.com/2020/03/05/covid-19-temporary-restriction-on-tourists-from-italy-japan-and-iran/


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“武漢肺炎:イタリア、日本、イランからの観光客の一時的入国規制”


マレーシアはイタリア、日本、イランの特定の市、地域を到着前14日以内に行ったことがあるすべての観光客に対して一時的に入国規制します。


一時規制の対象はイタリアのロンバルディア、ベネト、エミリアロマニャの各市、日本の北海道、イランのテヘラン、コム、ギランです。


この決定は官房長官が主宰する3月5日の武漢肺炎クラスター作業委員会の会議で決定されました。


発表された説明によると、マレーシア到着前の14日以内にこれらの場所に居た、またはこれらの場所を訪問したすべての人に適用されます。


官房長官の説明では「国内の武漢肺炎の発症状況を考慮し、会議で、何はともあれ、これらの場所にいるマレーシア人は予防処置を取り、自分の健康管理に気を付け、地方当局の注意に必ず従うように決定しました。それ以外に外国にいるマレーシア人は近くのマレーシア大使館に登録するように要請します。


これに先立ち、マレーシアは南朝鮮からの入国を一時的に制限するとともに、発症が一定のレベルに達した時には中国のいくつかの地域からの入国制限を決定しました。


一時的規制はマレーシア人、永住権保有者、ソシアル パス、学生パス保有者を除くすべての観光客に適用されます。


陽性反応が出たからといって、事務所、組織を閉鎖する必要はないが、パニックを避けるため、清潔と消毒は実施するように要請します。


保健省によって、感染者と緊密な接触があった人は、検査の上、動き回ることなく、保健作業者に正確な情報を伝えるように協力を要請します。


さらに、公衆に混乱を引き起こす情報を流さないようにしてください。保健省はSNSで拡散された武漢肺炎にまつわる偽情報を、マレーシア情報通信委員会に通報します。」とのことです。


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14日以前にどこにいたかという申告は、自己申告以外では把握の手段がないので、自分で闡明するということになるのでしょうか?穴が大きいようです。


ワーキング パーミットやMM2Hなどのビザを持っていれば、検疫の必要はないようなので一安心ではありますが、考えてみれば、今月日本に帰って、再度マレーシアに入るときに万一入国拒否の対象になったとしても、マレーシアに残した資産をギブアップすればいいだけのことで、どうしてもマレーシアに入国する必要があるという立場ではないので、気が楽ではありますが。


中国人が撒き散らしていったウイルスのため、世界中が大迷惑していますが、習近平の国賓来日がとりあえず延期となったのは、最近の朗報のひとつでした。

政治アナリストによる今回の政変の見方

今回のマレーシアの政変について、その背景をアナリストが開設しているので、正しいかどうかは別にして、紹介します。記事の原文は次のURLを参照してください。
https://www.thesundaily.my/local/probable-cause-NX2077249
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“考えられる原因”


アナリスト:爪痕を残した警告はPH政府の土台を壊していたかもしれない


警告を見なかった、または拒否したことは、政府を崩壊させた個人的野心と同等の大きさがある。政治アナリストのリムは、先週、PH政府を倒し、PPBM総裁のムヒディンを新首相に指名した要素について、次のような見解を述べています。


「マレーシアのケースは、警告の兆候はすでにそこにあったが、権力を握っていたものには見えなかった。公然の原則、党への忠誠、倫理的思いは、約束された権力と交換に脇にやられたのは明確だ。問題なのは、主要人物がそれを認めようとしないことだ。


ムヒディンの首相昇格が出てきて、国が大混乱を逃れる機会を提供し、いい影響をおよぼした。この卑しい政治的操り人形にかかわった政治家が信任を受けることはない。」


政治評論家のUCSI大学のタジュデイン教授は、PH政府崩壊とPPBS総裁のムヒディンの新首相指名の主要原因について次のような見解を表明しています。


「マハティール、アンワール、アズミン、みんな権力をめぐって、戦っていたが、これが我が国の政治上で見ることは悲しいことだ。マハティールとアンワールが警告のサインを見なかったことが要素であることには同意するが、アズミンも役割を演じている。アズミンとアンワールの結びつきは過去2年、かなり傷ついていて、昨年アズミンの同性愛のビデオが出回ったことが頭に浮かびます。アズミンは非常な野心家で、アンワールが首相になるのが心配だったのでしょう。」


内部情報では、すべてのごたごたは、何人かのPH指導者が最高顧問会議で、マハティールに首相を降りる日にち決めるように迫った結果だということです。


アズミンは先週除名されるまで、アンワールの後継者でありPKRの副総裁でした。しかし、ムヒディンはこの間の経過の中で、非難の上にいました。彼は首相に指名されると思って不目を飛び降りたとは思っていません。」


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瓢箪から駒の結果として、あれよあれよという間に、ムヒディンが首相に指名されたということでしょうか。


アズミンとアンワールの確執が政変劇の重要な要素であることは数の上でも明らかです。アズミンがPKRを追放されていなければ、PPBMが抜けても、楽勝でPHが絶対優位に立っていました。


私の予想としては、BNを政権に取り込んだ内閣は国民の支持を集められず、短命に終わるのではないかと思います。


伝えられるところでは、5月上旬に、新内閣の下での初めての議会が開かれるようですが、その日が新内閣の終了日となるような予感があります。新内閣としてはその延命のため議会は開きたくないでしょうが、開かないわけにはいきません。

政策金利を2.5%に引き下げ

マレーシアの中銀であるバンクネガラが政策金利の引き下げを発表しました。同行は声明でその趣旨を発表していますが、少し専門的な説明なので、門外漢の人には理解不能、もしくはチンプンカンプンかも知れませんが、紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。https://www.thesundaily.my/business/bank-negara-cuts-benchmark-rate-to-near-decade-low-YA2075436




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“バンクネガラは基準金利を引き下げ、最近10年の低い金利に”


バンクネガラは政策金利(OPR)をまた0.25%引き下げ、2010年5月以来の最低金利となる2.5%にしました。


同行の声明は次の通りです。


政策金利の上限は2.75%、下限は2.25%にそれぞれ引き下げられます。


今年の1月に3%から2.75%に引き下げを行いましが、それに続く引き下げになります。


武漢肺炎の発生で、特に地域内の生産と旅行に悪影響が出ている事は承知しており、これはより大きなリスクを、よりタイトな金融状況を、そして金融市場の変動をもたらしています。


政策金利引き下げは、物価安定下での経済成長の予定した改善を支える適切な貨幣政策を実施することを目指したものです。我々は、国内成長とインフレの外観を取り巻くリスク バランスの観察と評価を継続していきます。


前を見れば、とりわけ第一四半期の成長は、観光関連、農業、製造業で影響が出ています。


家計消費は雇用と所得の成長が適切な中、伸びは緩やかです。投資行動は、官も民も継続中と新規プロジェクトで支えられ、中庸な回復が予想されます。


しかしながら、今年後半には、インフレは平均よりも高いと予想されるが、中庸にとどまる予想され、国内成長は徐々に改善すると予想されます。


インフレの軌跡は世界の原油市場と商品価格、国内ガソリン小売価格のシーリング引き上げのタイミング次第です。経済活動の継続的拡大にもかかわらず、需用圧力が限定的なので、インフレは穏やかだと予想されます。


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景気減速は世界中で起こっていることが、改めて感じ取れます。


需用不足が第一の問題ですが、ここにきて、武漢肺炎でその傾向が一層強まっています。家に閉じこもっていては、物を買うこともなく、消費の機会がなくなってしまいます。


そのテコ入れのため、マレーシアは政策金利を引き下げ、金融面から景気を支えようとしているということでしょう。


マレーシア政府は政変で、財政面での景気テコ入れ策は当面取れないので、せめて金融面からということなのかもしれません。


しかし、需用不足は世界中で起こっていることで、マレーシア一国だけの問題ではありません。アメリカも金融面からの景気テコ入れ策として、フェデラルファンドレートを0.5%引き下げ、1.75%から1.25%にするという発表が先ほどありました。


中国市場がこけ、それをきっかけとして、世界経済があらぬ方向に行きかけているような感じがします。現役の諸氏にとっては大変な時代に入りつつある中、頑張って生き抜いていただきたいと思います。


ここのところ、銀行のプロモーション金利の提供がないと思っていたところ、RHB銀行で3月31日まで6か月物ですが、3.55%という知らせが来ていました。この銀行は金利の引き下げをも見込んでいたのでしょうか?そうでなければ、この金利を出した担当者は大チョンボです。しかし、こちらの銀行は「すでに予定金額に達したので、受けられません。」と平気で言うところですが。




為替も最近は円安で、円を持っている人には今の環境は有利になっています。円をリンギに替えて6か月でもいい金利のメリットを受けるチャンスです。

PHはあきらめていない

ムヒディンの首相就任が既成事実化される中、PH陣営ではまだ楽観的見通しを持っている勢力が存在します。これに関する記事を紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。
https://www.thesundaily.my/local/stay-optimistic-don-t-give-up-says-chow-kon-yeow-DM2068588


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“ペナンDAP議長兼首相:あきらめるな”


DAPは党員とHAP構成メンバーであるPKR、AMANAH、マハティール支持者に対し、“あきらめるな”と檄を飛ばしています。


ペナンDAP議長兼州首相であるチョー コン ヨウは次のような声明を出しています。


「この試練の時期の間、党が冷静であり秩序を保つことが大事だ。この一週間はごたごたした。


人々の信任を守るため我々は努力してきたが、盗人を選んだ邪悪な策略者に、連邦政府を取られてしまった。しかし、我々はあきらめていない。


PH指導者会議と議員団は、ムヒディンを首相に指名したことに対して、山のような法的、および憲法上の責任を追及します。


PHは単独過半数の政府を作る数を持っていることを証明しました。DAP中央委員会は各州を訪問し、生の声を聴いていきます。DAPのリーダーは、今は耐え、役目上やるべきことをやってください。


我々は、より良きマレーシアのための我々の政治的役割を果たしていくことを示していきます。」


各州でも政権交代の動きが出てきています。


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首相選出の手続きに絡んで、日本の判例を思い出したので、紹介します。
それは「どこでも株主総会」という判例です。


株主総会は商法上、会社の最高意思決定機関であり、その開催には法的に厳格な手続きが要求されています。例えば、総会の開催通知の発送について、総会開始前、議決すべき案件の内容などを記載した通知をいつまでに発送しなければならないとか、議決すべき案件の内容、開催場所、日時などを記載した通知を事前に株主に知らせる必要があります。


この厳格に定められた要件を満たさない、総会は有効か無効かという問題が裁判で争われました。


判決では、株主全員の同意があれば、要件を満たさなくても、決議事項は有効であるというものでした。株主全員がその開催を認めれば、その開催要件に従わなくとも、株主共通の利益には反しないというのが判決理由でした。


今回の首相指名についてこれを当てはめて考えると、少なくとも総会を開催することをすべての議員が承認したわけではなく、個別に考え方を国王から聞かれ、それを国王が取りまとめて、次期首相を指名したという経緯ですから、この「どこでも株主総会」の判例を当てはめれば、そのような決定は無効と判断せざるを得ません。そもそも国王がそのような取りまとめをすること自体が越権行為ではないでしょうか。


これから議会が開かれたときには、PH側から不信任の動議が出ることが予想されます。その時各議員がどのような投票を行うかが注目点です。

今回の政権ゲームに対するマハティールの感想は?

議決なしでの国王裁可による新首相の決定を受け、今後さらに混乱が広がると予想される中、前首相となったマハティールが政変の経緯について、感想を述べていますので紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。
https://www.thesundaily.my/local/mahathir-muhyiddin-betrayed-me-AF2061561



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“マハティール:ムヒディンの裏切りが大きく作用した“


マハティールは政変後、次のような感想を記者会見で述べています。


「ムヒディンの裏切りが大きかったと感じている。彼はPHから出ていくとともに、PPBMのメンバーを連れて、新政権を作ろうとした。


PPBM総裁である彼の行動は、時期は明らかにはしないが、以前から計画されていた。


PKRを離れたアズミンはいろいろな問題を抱えていたが、ムヒディンを選択した。しかし、私が最も裏切られたと感じたのはムヒディンだ。


彼は長年これを画策してきた。ムヒディンが自分でPPBM議長になろうというのは、党の規約に反し、私が依然として、PPBMの議長だ。彼が議長になって、政権を取ってもすぐに追放されるだろう。彼は自分がPPBMのリーダーだと主張するかもしれないが、私がまだ議長だ。


今、PPBMがどうなろうとも、これは起こる可能性があるが、私が追放されるかどうかを含め、決定するのは党のためだ。党の多数はすでに私を議長としては拒否している。」


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国王の裁定が首相の正式決定のようになり、議決なしに宣誓式まで行われたことには唖然とするばかりですが、自分の国のことではないので、あれこれ批判することもないのでこれ以上は論評しません。しかし政権ゲームの当事者は、これを見つめる国民の反応には気が付いていないのでしょうか?