混沌としたマレーシア政界

総選挙の結果は次のように確定しました。
PH(希望同盟)81
PN(国民同盟)73
BH(国民戦線)30
サラワク、サバの政党である
GPSが22
GRS6
その他8
延期2
合計222


過半数を取った政党はなく、キャスティング ボードはBNの動向です。
11月21日2時までに、各政党のリーダーは国王に誰を首相として押すかの報告が求められています。激しい駆け引きが予想されます。
前回の混乱のように少数のBNの三番目の序列の人が首相になったことを思えば、誰が首相になるのか全く分からない情勢です。

マレーシアの政党

マレーシアの政党は細分化されていては居ますが、小政党間の連携がされており、大きくは3つに分けられ、その3つごとにリーダーが居ます。


PH(希望同盟)、PN(国民同盟)、BN(国民戦線)が大括りにした3グループになります。
PHのリーダーがアンワール、PNのリーダーがムヒディン、BNのリーダーがザヒドです。現首相のヤアコブはBNのなかのUMNOに所属していますが、BNのリーダーではありません。政党というより人との結びつきでリーダーが決まっているという世界のようです。


議会は222人で構成され、過半数は112人です。11月19日に総選挙が実施されましたが、結果がすべて出揃ったわけではありませんが(一部の地域で洪水が発生し、選挙が延期になったところもあるためもあります。)わかった範囲ではPHが82、PNが79、BNが30を獲得したのが確定し、とりあえずアンワールが率いるPHが優勢になっています。どの政党も112の過半数を取ることができず、他のグループとの連携を模索していくことになります。


今回の選挙のハイライトはマハティールの落選、アンワールの長女のイザの落選、UMNOの凋落でしょうか。長く続いたUMNOの政権とは完全に決別したということになります。


PHの構成政党はDAP,PKR,AMNAでPNは先住民族団結党、PAS,GRAKANで構成され、BNはUMNO、MCA,MICで構成されています。どの政党も共産主義者との血みどろの戦いを経た経験から、社会主義、共産主義を嫌っており、その主張に大きな違いは無く、人的関係だけが政党が分けられている基準となっているように感じられます。一時マハティールとアンワールが激しく対立した時代があり、今もその影響は残っているようですが、路線の違いがあるだけではないでしょうか。

虎ノ門ニュース最終回

7年8ヶ月に渡ってユーチューブで発信されていた虎ノ門ニュースの最終回が11月18日発信されました。マレーシア情報を書いておられるdabo_gcさんも前に書いておられましたが、ついに最終回の日がきてしまいました。最終回となった理由は、オーナーであるDHCが会社をオリックスに売却したためということだそうです。過去の発信分は見ることはできると思いますが、新規のニュースは今後発信されません。


毎朝、日本時間で8時から発信がスタートし、8時前からカウントが始まり、8時ジャストに”ドーン”という司会者の発生ではじまりました。当初、これはまともなニュース番組なのかと、疑心暗鬼で見たことを思い出しますが、司会者の折島一平が見た目とは異なり、まともな良識を持った人物で、コメンテーターも所謂、御用学者ではない人たちで占められ、まともなニュース番組となっていました。ユーチューブによる発信なので、日本国内のみならず、世界各国の日本人に視聴されていた番組でした。


NHKをはじめとする地上波は歪曲ばかりで、見る気にもならないニュース番組ばかりですが、この番組だけはまともなニュース番組で、良識を感じられるニュース番組を発信していました。
一般的には右派のニュース番組だといわれていますが、真っ赤に染まった地上波には無い視点でニュースが取り上げられ、貴重な情報源となっていたのに残念です。


オリックスは上場会社なので、趣味の世界でしか通用しないような理念で、同じスタンスで発信を続けていくことはできないと思われます。同じ理念を持つ奇特な人が現れない限り、
もう二度とこのようなニュース番組をコストをかけて制作することはないでしょう。残念です。

日本への引越し料金

一部の業者から料金の見積もりが来ています。


それによると、その業者の最低単位は4立方メートルで、ケース数にすると20から25ケースということでした。料金は、マレーシアでのパックイン、と日本での開梱料込みで1万から12,000リンギということでした。アート引越しセンター風にいうと、お任せパックということでしょうか?


ケースあたりだと、円換算で1万5千円ぐらいになります。ちょっと高いという印象ですが。
これだけ払うんだったら、手荷物で、持てるだけ運んで、運びきれないものは捨ててしまうというのが正解かも知れません。


ケース単位で輸送してくれるところがないか、まだ調査中です。


場合によっては、POSの海外発送に当たってみたほうが、安いかもしれないという意見もあり、後日あたってみたいと思っています。

高負担国と低負担国

日本とマレーシア、双方に住んでみると、その負担が異なることが実感させられます。


日本は個人レベルでいうと、所得税、住民税、金融課税、相続税、贈与税、資産譲渡益、消費税など税法で定められた税金が課せられます。


マレーシアは所得税、消費税、不動産にかかる不動産譲渡益税などが課されますが、住民税はなし、金融所得も課税されません。マレーシアはペトロナスからの配当収入があり、財政収入が豊かだということでしょう。


日本では国営事業としてやっていた、国鉄、郵便事業、専売公社、電電公社を民営化し、そのとき、株の売却収入はあったものの、一時的なものであり、それで国家財政が潤うということはありませんでした。継続してキャッシュ インをもたらすペトロナスのような金の卵はなかったということです。


日本の場合は財政法の規定で建設国債を除いては、国家の支出は国民からの拠出によらざるを得ないので、支出が増えれば税金も増えるということになります。


国会の議決があれば赤字国債の発行が認められていますが、その額は天文学的な数値になり、いったん民間金融機関が引き受けますが、市場価格維持のため(金利高騰を防止するため)、日銀が全額買い上げ、国債の暴落を防いでいるのが現状です。実質は国債の日銀引き受けです。このような操作で、インフレになるかと思いきや、ものは溢れており、インフレにはなりそうもありません。ただ、米国の金利引き上げで円安になり、輸入物価の上昇は起きています。


日本以外の国では、ドル高でその部分ではインフレを招来するかも知れませんが、マレーシアでもインフレ気味になっているようです。


日本の住民に対する高負担はこれからも続くのでしょうか?たまったものではありません。


日銀が持っている国債は連結消去して負担を軽くし、将来の税負担を回避してほしいものです。