規制期間の風景

規制期間中は街中のほとんどの店はクローズなので、開いているスーパー マーケット、ウエットマーケット、テークアウエーの店、銀行などしか行くところがありません。


外に出ないと体にも悪いので、極力出るようにしていまが、銀行に行くついでに、少し街中をうろついてみました。


レストランの前を通ると、中から呼び込みの掛け声が。えッ、やっているの?と中をのぞくと、横に“テークアウエーのみ”の張り紙が。こんな状態では経営も大変だなと思いつつ、さらに歩いていても、別にチェックする人がいるというわけではなく、ほとんどの店がシャッターを下ろしているので、街中に出ても入るところがありません。



銀行に向かうと、銀行の正面は職員が立っていて、訪問者のおでこに体温計をあてて検温。それがパスすると、消毒液を手にかけて消毒。受付前に行くと、受付と距離を取って話すように囲みの線が引いてあるというかなりの徹底ぶり。銀行にはそこそこの人がいました。


行員は全員、客も殆どがマスクをつけていて、マスクなしが珍しいほど。ほとんどが同じカラーのブルーのマスクで、自治体から配布されたものなのでしょうか?


昨日行った銀行では、検温も消毒液の常備もなく、今日の銀行とは全く違いました。


新聞によると、高速道路の料金所の職員に陽性がでて、タッチ&ゴーのトップアップができたレーンが閉鎖になり、トップアップが一切できなくなったので、他の場所(銀行、ガソリンスタンドの売店、コンビニ等)で予めトップアップしておくことという注意がありました。客との接触を可能な限り避けたいということだと思います。


トップアップできるレーンはすべての料金所にあるわけではなく、E1でいえば、スンガイ ベシ、カジャンなどが思い浮かびますが、そのほかについては分りません。いまは現金払いは一切できなくなっているので、残高がないと大変なことになります。


食料品を輸送するトラックについて、「規制期間は業務を止めろ」というあり得ない人が出てきたりもして、末端では混乱も起きているようです。

ジョギングをして止められた

行動管理命令(以下MCOと略します)が出てから3月20日で3日目になります。そんな中で、末端の取締官と市民の間で、その解釈をめぐり、齟齬が生じているようです。これに関する記事を紹介します。記事の原文は次のURLを参照してください。
https://www.thestar.com.my/news/nation/2020/03/20/man-stopped-from-jogging-by-penang-city-council-workers-question-stay-at-home-directive


Quote


“シティーパークでジョギングをしていたのを市職員に止められた市民が疑問を呈しています”


MCOは人が集まるのを防ぐためであり、人を室内に閉じ込めるためのものではないと、同人は疑問を呈しています。


「MCOは外出禁止令ではない。MCOは人が集まるのを防ぎ、人との距離を取り、もって中華ウイルスの拡散を防止することを企図したものだ。命令の間違った理解や誤解は望ましくない結果を招来し、中華ウイルス拡散の機会を増すことになる。


私は1人で歩いていたのに、公立公園は閉鎖され、私は3人の市職員に厳しく叱責された。新聞では同様のケースとして、海岸の道を人々が歩いているのを、離れて歩いているのに止めたという記事が出ていた。MCOはひとが集まることを防止することを意図したもので、人々を室内に閉じ込めることを意図したものではないことを政府やその職員は分っているのだろうか?


中華ウイルス伝染を減らすため、人との距離を置きMCOを守らなければならないが、頭を使って動いてもらいたい。


生活をストレスと座ったきりで過ごし、抵抗力を弱めてウイルス感染を増すことを意図したものではありません。


マレーシアの熱く湿気が高いアウトドアはウイルスやっつけるのに最良の環境です。我々は人々が群れるのは望まないし、人々をエアコン付きの部屋に押し込めるのは健康的とは言えない。


民間会社や教育機関は人々の集まりを減らすのに何の効果もない非論理的そして恐らくは不法な新しいルールを採用するべきではありません。」
Unquote


MCOの解釈をめぐる問題が提起されています。警察や取り締まり機関の末端の職員は杓子定規に規則を解釈し、居丈高に市民を取り締まろうとしますが、彼らの頭脳の程度に期待するのは無理です。合理的な説明をしても、彼らの頭脳で判断することは無理だと諦め、触らぬ神にたたりなしの精神で生きていくしかありません。


屋外のスポーツが禁じられていることは、MCAでも明記されていますが、その法の精神に思いが至らないのは、彼らの頭の程度からして無理なのです。


ちなみに、保健省から3月20日にマレー語のSMSが入ってきましたが、その内容は制限期間中
1. 外出するな
2. 手を洗い、清潔に注意
3. 人との距離を1mおくこと
となっていました。


3月12日にはやはり英語のSMSで送られてきたのは
手をよく洗い、咳やくしゃみをしたときは、口と鼻を覆い、公衆の中で気分が悪い時はマスクを使用し、医者にみてもらえ。
という内容でした。


制限期間中に開いている、スーパー マーケット、ウエットマーケット、テークアウエーの飲食料品展、銀行、薬局、病院、等々との整合性はどうなっているのでしょうか?外出せずにこれらの施設に行けるというのでしょうか?


ピントがずれた内容のSMSですが、これが国民の保険問題を担当する役所の程度です。


マレーシア人でなくてよかったと本当に思います。

マレーシアの陽性患者数が900人に

マレーシアの武漢コロナ陽性判明者の数が3月19日に新たに110人発見され、累計で900人に達しました。これに関するニュースを紹介します。記事の原文は次のURLを参照してください。
https://www.thesundaily.my/local/110-new-covid-19-cases-in-malaysia-total-now-at-900-GC2150855



Quote


“マレーシアの陽性患者が新たに110人見つかり、合計900人に”


3月19日に新たに110人の陽性患者が見つかり、合計900人になりました。保健相発表は次の通りです。


「新たに陽性となったうちの63人は、2月27日から3月1日に行われたスリ ペタリンでの宗教行事の集まりでの感染と思われます。20人がICUに入っています。


明るい話題としては、15人が回復して退院し、合計75人が退院しています。インドネシアのスラウエッシの宗教行事に出席した83人は帰国後検査し、検疫することになります。


それに加え、病院やクリニックと協力して検査を実施しています。対応する医者が防護服を着用できるよう、感染の疑いがある人は申し出てください。


まだ初期ですが、傾向として、症例数は今高原に到達しているように思えます。これは政府の14日間の行動規制の賜物です。武漢コロナの拡散を避けることを願っているので、症例が高原に来つつあるのは喜ばしいが、これは時間だけが知っていることだ。なぜならば、人々が行動規制命令に従うかどうかにかかっているからだ。」


Unquote


3月18日から実施された行動規制命令の効果はすぐに出るというものではないと思います。実際に出てくるのは4月に入ってからの新規の陽性患者の発生がどの程度になるかということでしょう。


マレーシアの場合は中国人労働者の移入が多くなかったので、イラン、イタリアのような爆発的な発症数にはならないようなのは、ラッキーでした。マレーシアの集団発生の原因は宗教がらみであると推察されます。


行動規制命令で外国人の入国を全面的に禁止したのは、経済的にはダメージにはなるものの感染の広がりを抑える効果はあると推察します。もっと早くやっていれば、こんなに広がることはなかったのにとは思いますが、2月初めの時点で、封鎖を決断するのは相当な困難があったことは同情すべきではあります。


日本の中国の締め出しが遅すぎたので、ウイルスが中国人によって神聖な日本国内にかなりばらまかれてしまいました。その経済的損失は、インバウンドの経済効果の比ではありません。決断ミスではありますが、これを責めることは、できないかもしれません。将来を正確に予測することはかなり困難ですから。

行動規制2日目

行動規制2日目となる3月19日は、主に食料買い出しのため、モール3件のはしごと銀行手続き等で、結構忙しい日でした。


モールには客はあまり入っていなくて、駐車場はガラガラでした。商品はそこそこ入っており、不足はなかったです。食料仕入れは問題がなさそうです。


スーパーマーケット以外の店は原則開いていません。例外として、政府が行動規制の例外として掲げている、通信分野という位置づけのためでしょうか、携帯電話のプロバイダーの店と、薬のほか化粧品等も販売している薬局は開いていました。フードコートでは、テークアウエーは、規制の対象外なので、店は開いていましたが、椅子はすべて座れないように逆さまに置かれていました。モールの中に入っているレストランもテークアウエー以外は利用できません。


モール全体として、活気は全く感じられません。


次に、銀行に満期がくる定期預金の処理について、相談するために行きました。


過日、年利3.5のプロモの案内が来ていたのでそれを使えるか聞いたところ、案の定、「それはもう終了しました。」とのこと。たしか3月末までのはずでしたが、と口にしても無駄なことなので、預け替えるかどうか思案していたところ、「今は6か月物で2.6%ですが、E定期ならば、プロモで6か月物の年率が3.15%です。」とのことだったので、満期で引き出した全額をセービング アカウントに一旦入れて、インターネットで手続きすることにしました。


家に帰り、手続きを進めていくと、途中から進まなくなりました。理由がわからず、再び銀行に行って、実際にインターネット バンキングでプロモのえ定期設定を実演してもらったところ、やはり進まなくなり、「これは他の銀行から振り込まれたものが対象なので、いったん他行に振り込み、それをE定期にしてください。」とのこと。いわゆるフレッシュ マネーが条件というこということがわかりましたが、最初からそう言ってくれよ、と思わずにはいられません。


帰宅し、他行への振り込みをしようとしたところ、1日の振り込み限度額が5,000リンギという壁に突き当たりました。これではどうしようもありません。あの時点で、バンク チェックを切ってもらい、それを他行に持ち込み、現金化の上、他行の勘定に入れ、そこからまた振り込むという手続きにしておけばよかったと一時悔やみましたが、そこでも他行からの振り込み限度額の壁に突き当たることは目に見えています。多額の振り込みのためには、他行に出向いて、ペーパーで振り込み手続きをする以外ないということになります。


もう面倒になって、通常の利率で預けることに決しました。バタバタした割には最初に戻ったということになりました。これが骨折り損のくたびれ儲けです。


行動規制が出ているのに、こんなことしていいのでしょうか?人出も車の数も少なめの一日でした。


そうこうしているうちに、規制日2日目の日が終わってしまいました。

活動規制違反の罪

武漢コロナ対策として政府が打ち出した活動規制に違反した場合の罰則について司法長官室(AGC)が公告を出しているので、紹介します。記事原文は次のURLを参照してください。
https://www.nst.com.my/news/nation/2020/03/575731/agc-gazettes-ban-travelling-infected-areas


Quote


“感染地域への旅行の禁止”


感染症予防管理規制に違反した個人は罰金最高1,000リンギ、または収監最高6か月、または両方が科されるとAGCが公告を出しました。


これは、感染地域と宣言された地域間で個人の移動を禁じたAGCが出した連邦公告に沿ったものです。


公告内容は以下の通りです。


国内の感染地域内での個人の移動を禁止する。例外として公務のため、および、銀行、金融サービス、電気 エネルギー、水道、保健、医療サービス、郵便サービス、情報通信、刑務所、Eコマース、食料供給、イミグレ、税関、防衛、セキュリティー、ホテルの必須サービスに従事する場合は例外とする。


この法の名称は“2020感染症予防管理規制”と称し、2020年3月18日から同月31日まで適用される。


感染地域内で集会は、宗教、スポーツ、リクレーション、社会、文化目的であっても一切禁止する。しかし、葬式目的の集まりは、最低人数であることを条件で認める。


個人は感染症予防管理規制に関するいかなる情報について、権限を持った係官の求めに従わなければならない。規制のどの条項であっても、反したのは違反となる。


違反者が企業体、役員、マネジャー、広報官、または同様の地位にあるかそれと同じ権限で行動していた場合には、各個別にまたは連帯して企業体として同じ手続きで罰せられる。


その地位の当然の機能に関して、また、違反は知識がなく、同意や黙認なしで犯したものであること、および合理的な予防措置をすべて取り、違反を防ぐために慎重に調査したことを証明しない限りは。



Unquote


感染地域が指定されているということなのでしょうか?初耳です。あるいはこれから感染地域が指定されるということなのでしょうか?意味不明です。


今マレーシアの感染者数は790人になっていますが、感染地域を指定するほど、特定の地域に感染者が集中している状況ではないと思います。


州を超えての移動には許可が必要との記事もありますが、どのようにチェックするのでしょうか?チェックのしようがないことを取り決めても、まったく無意味です。マレーシアに法律の専門家はいないのでしょうか?


法の番人たる司法長官室がこの体たらくでは、法治国家とは言えません。公告の文章自体も変な終わり方をしていますし、法律家が書いたものとは思われません。